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笑える復讐劇
第1章 憾み
 しかし、コンピュータから鳴ったチャイム音で和人の意識は一気に現実に引き戻される。画面横を見れば、メールアカウントに付いているチャット機能のお知らせである事が分かった。和人のチャット仲間がログインしており、「パトロン」と言うハンドルネームが表示されている。名前の横には彼がログインしている証拠である緑色のランプが点滅していた。久しく見るその名前を眺めていれば、和人はパトロンとチャットをしようか迷い始める。

 パトロンとは小学生時代からのチャット仲間だ。虫に関する掲示板で知り合ったのをきっかけに意気投合し、二人の交流は続いていた。直接の面識はないし、互いの事をハンドルネームでしか呼び合っていないが、和人の友人関係の中ではダントツの親友ポジションを得ている。彼とのたわいもない会話が心地良く、互いに悩みも相談出来るような仲でもあった。香奈恵と付き合い始めた当初、パトロンから「彼女との付き合い方」なるアドバイスも受け、とても助かった事もある。顔は知らないが、心から尊敬する友。そう感じていた。

 しかし、彼との交信は半年前から途絶えている。パトロンは何故かチャット画面に現れなくなり、一言か二言だけのメール止まりの交流となってしまった。理由を問いただしたが、どうやら体調不良で私生活がままならなくなったそうだ。それを証明するように、最後のメールは「ごめん、もうメール出来ない」と、絵文字や記号を羅列させるパトロンらしからぬ簡潔な文面で終わっている。それに対して一抹の寂しさを感じたが、またパトロンとチャット出来る日が来るのを信じながら、和人はリアルの生活を恋人に捧げた。
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