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秘密
第1章 静寂の夜
「…ッン…」


躰中に手と腕を熱く絡ませながら、沙織は夫とは別の男を夢想しようとする自分に焦って首を振っていた。

呼吸が乱れ躰がしなる。

突き出された恥丘を細い指先で擦る。


「…アッ…」


僅かに覗いていた蕾に指先が触れ、沙織はゆっくりと脱力してベッドに背中を付けた。

確かめなくても、もう、そこがどうなっているのかはわかる。

沙織は膝を立てて左右に開いた。

沙織は知らなかった。

夫の指がどう動くのか。
男の指というものを、あの忌まわしい経験以外知らなかった。


自分で覚えた慰め方で、いつものように指を動かす。

閉じている花弁を割り開き、なめらかに指を滑らせて蕾を擦る。


「…っ…ン…ン…」


痺れるようなじれったい感覚に腰をくねらせながら、艶やかな蕾を指先で挟んで揺らすと、沙織は呆気なく果てた。


欲しい…

あなたが私の中で果てるのはいつ?

私があなたにしがみついて叫ぶのはいつ?


啜り泣くように腰が震えた。


──俺は今でも君を…


あの視線を打ち消したい


沙織の指が蜜に誘われて果実の中へと入っていく。


「…うぅッ…」



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