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秘密
第1章 静寂の夜
熟れて蜜を湛えた果肉を探るように進むと、待っていたかのように2本の指を熱く包み込んでくる。


…あなた…きて…
早く…早く…


柔らかな奥を指先で擦るとクポクポと泡が水面で弾ける音がする。


「あぁッ…あぁ、いぃ…、いいわ…」


声を殺し、熱い肉壁で指を締め上げながら腰を振る。



──今でも君を…


違う…

あなた
あなた…
お願い…

あぁ…


哀しい水音は隠せない。

「い、イク…イク…うっぅぅ…」


片手で口を覆い、高く腰を突き出し、喉の奥で叫びながら沙織は静かに激しく果てた。


躰から熱がひいていく。


ピクピクと震える躰でぼんやりと天井を見つめそっと指を抜いた。


「…ッ…あ…」


感情はぷっつりと途切れ、惨めな余韻があとについてくる。


「………」


躰を拭き、乱れたベッドを整える。

二つの儀式はいつも対になり、静かに幕を下ろして表に出る事はない。

あの体育倉庫での出来事のように。

皆の知り得た事といえば、教師が二人、なぜか急に学校を去って行ったという事実だけだった。

沙織は忌まわしい秘密を守り続け、胸の奥深くに沈めた。


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