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秘密
第1章 静寂の夜
母の奈美子もその慎みを知る落ち着いた立ち居振舞いに、すっかり安心して娘を預けた。

沙織の傷は少しずつ癒えてゆき、次第に明るさを取り戻していく。

以前にも増して男から声を掛けられるようになったが、沙織には慎一郎だけが幸せを運んで来てくれる男だった。

出会いから1年半、新婚旅行で迎えた初夜も、子供のように怯えて震えている沙織を、慎一郎は優しく扱い安心させた。

それは今夜と寸分違(たが)わぬ手順だった。





沙織は一人きりのベッドで丸くなり自分を抱き締めた。

30才を過ぎてはいても、手に余る乳房にはまだ十分な張りがある。


夫はこの躰が嫌いなのだろうか…


放り出された躰には熱が燻(すくぶ)り、冷まして欲しいと訴えてくる。

沙織は今夜もひとり寂しく幕を下ろさなければならない。

仰向けになり、呼吸を整えるように深く息を吐く。
キャミソールの下の二つの乳房を握り締め、その先端を強く摘まむと、背中が浮いて足先までがピンと伸びた。


「…っ…」


両手を交差させて乳房を寄せ、たっぷりとした感触を握り潰すように苛めてみる。


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