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秘密
第5章 仮面の下
沙織をじっと見つめ、ゆっくりと言葉を選ぶ瞳の奥には、明らかな戸惑いが見えた。


「あ、失礼しました。
…私、…沙織です。
西村沙織と申します」

「………」

「あの、義理の母は咲子…」

「あいつが結婚したのか」


西村はまるで他人を噂するように冷静に呟いた。


「あの…」

「ん?」

「いえ…」

「それじゃ、ごちそうさま」


それだけ…?


「ありがとうございました」


純子と杏奈の声を背に受けて西村が外に出た。
沙織は「ちょっと行ってきます」と二人に言ってドアを開けた。


スーツを着た後ろ姿もよく似ている。

沙織は傍まで行って声を掛けた。


「あの、会いたくないんですか?」


男が振り向いた。


「…今更会ってもね」

「気にならないんですか?」


男が薄く笑った。


「その方がお互いにいいんだよ」

「あの、新しいご家族の為ですか?」

「家族?」

「えぇ」


沙織は嫌味を言ったつもりだった、咲子の為に。


「家族はいないよ、どこにもね」


えっ…


西村はまた歩き出そうとした。


「私達、義母と3人で幸せに暮らしていますから」


あなたがいなくても…






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