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秘密
第5章 仮面の下
「沙織さん、とりあえずそのバッグを置いてらっしゃい」
「あ、はい…」
沙織は急いで階段を上がった。
手を洗い、ジーンズと長袖のTシャツに着替え、夫が寝ていたベッドを整える。
義母は、義父を思い出す事があるのだろうか…
夫は、父親と同じ事をしている自分を、わかっているのだろうか…
沙織はふと咲子の赤い下着を思い出した。
義母には既に誰か…
遅く帰宅する事も珍しくはないし、付き合いも広い
私達の目を気にして隠しているのかもしれない
「………」
沙織は、浅田の腕に抱かれていた道子のように、咲子にもいざという時に頼れる男性が必要なのではないかと思った。
「……だから慎ちゃんにも聞いてみなさいよ、きっと賛成するから…」
百合子の声が階段まで聞こえてくる。
「あ、沙織さん、早く頂きましょう。
今日は百合子がご馳走してくれたのよ」
「まあ、ありがとうございます。いただきます」
「どうぞどうぞ…」
割り箸を膝の上でそっと上下に分ける咲子の指先には、サーモンピンクのマニキュアが静かに光っている。
心なしか潤った瞳で柔らかく微笑む義母に、沙織は色気を感じて見とれていた。
「あ、はい…」
沙織は急いで階段を上がった。
手を洗い、ジーンズと長袖のTシャツに着替え、夫が寝ていたベッドを整える。
義母は、義父を思い出す事があるのだろうか…
夫は、父親と同じ事をしている自分を、わかっているのだろうか…
沙織はふと咲子の赤い下着を思い出した。
義母には既に誰か…
遅く帰宅する事も珍しくはないし、付き合いも広い
私達の目を気にして隠しているのかもしれない
「………」
沙織は、浅田の腕に抱かれていた道子のように、咲子にもいざという時に頼れる男性が必要なのではないかと思った。
「……だから慎ちゃんにも聞いてみなさいよ、きっと賛成するから…」
百合子の声が階段まで聞こえてくる。
「あ、沙織さん、早く頂きましょう。
今日は百合子がご馳走してくれたのよ」
「まあ、ありがとうございます。いただきます」
「どうぞどうぞ…」
割り箸を膝の上でそっと上下に分ける咲子の指先には、サーモンピンクのマニキュアが静かに光っている。
心なしか潤った瞳で柔らかく微笑む義母に、沙織は色気を感じて見とれていた。