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秘密
第6章 酔い
「おかえりなさい。
ごめんなさいね沙織さん、助かったわ」


玄関まで出迎えてくれた咲子に、沙織は買ってきたケーキの箱を手渡した。


「ショートケーキだけが残ってました」

「あぁ、あそこはお店閉めるのが早いから心配だったの。
でもよかったわ、ありがとう。一緒に食べましょう、コーヒーを入れるわ」


沙織は百合子の靴にチラリと目をやり、小さくため息をつきながらリビングに向かった。


「あっらー、あのお店のケーキ評判なのよね、長居してよかったわ、あはは…。
沙織さん、おかえりなさい、ごちそうさま」

「いらっしゃいませ。
どうぞ召し上がってください」

「沙織、おかえり」

「ただいま」


夫の言葉に愛想笑いで答えると、沙織は階段を上がって手を洗い、すぐに下りてきた。


「さあ、座って座って」


百合子が我が家のように仕切りだす。


「早く食べて帰んないと夕飯の支度が待ってるの。昨日も今日も外食させるわけにいかないものね、あはは…」

「叔母さん昨日はたまたまうちに来たんですか?」


慎一郎が笑いながら聞いた。


「違うわよ、午前中姉さんがちっとも電話に出ないもんだから…」

「…えっ…」




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