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秘密
第7章 剥がれた仮面
「ふふっ…、でも、そうでもしないとお義母さんは自分の為のお休みなんて取らないじゃないですか。定休日だっていろいろと忙しいし。…私、松野さんに大賛成です」


最近疲れがたまっている義母に、ゆっくりと羽を伸ばして欲しいと沙織は思った。


それに…
健さんに逢える


心が弾んだ。


「でも…」

「その日にご予約の方がいらっしゃるんですか?」

「旅行は来月の一週目なんだけど、今のところ予約はまだ…」


あと半月程だ


「それなら、今からその日のご予約はお断りにして、お店は金、土、日でお休みですね」

「まぁ、強引ね、うふふ…」


咲子は沙織の了解を得てほっとしたように明るく笑った。


「行き先はどこですか?」

「…箱根よ」

「まあ、温泉と紅葉狩りですね。いいなぁ…」


家族で旅した時の事を思い出した。


「前にみんなで行った時、私、強くもないのに飲み過ぎて、いつの間にか寝てしまって…、朝気付いた時にはホントにびっくりしました」

「うふふ、そうだったわねぇ、あなた凄く慌ててたわ。…また一緒に行きたいわね。
そうだ、慎一郎を放って二人で行くのもいいわね」

「そうですね、そうしましょう、男はほったらかしです、あはは…」


二人で賑やかに笑い、心が少し丸くなった。




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