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秘密
第7章 剥がれた仮面
仕事の邪魔になっていませんように、と気にしながら、更衣室で一人、休憩をとっている時に携帯が震えた。


きっと喜んでくれてる


そう核心しながら胸がときめき、思わず立ち上がって倉本からのメールを開く。


『どうして?』


「え……」


連絡が遅い事を怒っていたのだろうか…


沙織は倉本の真意が読み取れず、慌てて返信した。


『あの、私、凄く逢いたくて』


再び震えた携帯を恐る恐る開いた。


『誰に?』


顔が見えない事がもどかしい。倉本の言葉を冷たいと感じた沙織は急に不安になった。


急いで指を動かす。


『あなたに。
健さんに、逢いたい』



甘えていた

いつもそこにあるものだと決めつけて

都合よく利用して

なんてバカな私…



健さん…



ドクンドクンと響く鼓動のありかを手で押さえているうちに不安が増し、沙織は力なく椅子に座り込んだ。

三度目の返信がきた。


「………」


『ありがとう!
君のその言葉が欲しかった。
あのホテルで待ってる。
俺は君の何倍も君に逢いたい!
君をめちゃくちゃに抱きしめたい!』


「健さん…」




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