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秘密
第8章 秘密
柔らかな陽射しは自分の為に降り注ぎ、冷たい風なんて頬で温める。

早く歩けば早く時が過ぎてくれるような気がして、沙織はスタスタと足早に歩き次々に人を追い抜いた。






「おはようございまーす」

「おはよう」


更衣室で着替えを済ませたところに杏奈と純子が入ってきた。


「おはようございます」


「ねぇ沙織さん、この子、最近遅刻しなくなったわよね」


純子がさっそく切り出した。


「そう言えば…」

「えーっ、いつもちゃんと来てますよ」

「キスマークも見当たらないし…」


純子がふざけながら杏奈のセーターをさっと捲る。


「あはは、やめて下さいよ、最近はちゃんと早めに眠るようになりましたから」

「あら、まだラブラブなの?」

「そりゃそうですよ」

「まぁ、ごちそうさま」


明るく言う沙織を純子が見つめていた。


「沙織さんて、最近少し変わったわね」

「えっ?」

「なんだか…、余裕がある女、みたいな」

「あ、あたしもそう思います、ていうか沙織さんキレイになってなんだか色っぽい…」



沙織の瞳が優しく揺れた。


「ほら、自信と余裕の微笑み」



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