この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密
第9章 露見
「な、なぜ私なの?
あなたは誰からも好かれてたし、女の子にモテていたじゃないの」
倉本の胸を両手で押し退けながら、以前の職場を思い出した。
「まあ、君が結婚した後に、数人と付き合ってみたよ」
「…っ…」
沙織は小さく傷付いた。
「でも結局ダメだった」
「誰…、誰と付き合ったの?」
「…ナンパしたりされたり…」
「…っ…、そ、その人と…寝たの?」
「まあ、そりゃ男だからね…」
正直に話す倉本に腹が立つ。
自分を目覚めさせ、狂わせてくれた熱く淫らな愛撫で、別の女を感じさせているシーンが目に浮かぶ。
「いやっ!
どうして、どうして…」
倉本の胸をドンドン叩きながら沙織は「ばかっ!ばかっ」と言って泣き出した。
「沙織…」
嫌がる沙織を倉本は無理やり抱きしめた。
「いやっ、離して」
「離したら君に殴られる。……沙織、もしかして、それって嫉妬?」
「…っ…」
嫉妬?
「俺の過去に妬いてるの?」
「………」
自分が馬鹿に思えた。
人妻でありながら、独身の倉本に嫉妬する権利なんてあるわけがない。余所で何をしていようが口出しはできない。
愚かな自分が情けない。
あなたは誰からも好かれてたし、女の子にモテていたじゃないの」
倉本の胸を両手で押し退けながら、以前の職場を思い出した。
「まあ、君が結婚した後に、数人と付き合ってみたよ」
「…っ…」
沙織は小さく傷付いた。
「でも結局ダメだった」
「誰…、誰と付き合ったの?」
「…ナンパしたりされたり…」
「…っ…、そ、その人と…寝たの?」
「まあ、そりゃ男だからね…」
正直に話す倉本に腹が立つ。
自分を目覚めさせ、狂わせてくれた熱く淫らな愛撫で、別の女を感じさせているシーンが目に浮かぶ。
「いやっ!
どうして、どうして…」
倉本の胸をドンドン叩きながら沙織は「ばかっ!ばかっ」と言って泣き出した。
「沙織…」
嫌がる沙織を倉本は無理やり抱きしめた。
「いやっ、離して」
「離したら君に殴られる。……沙織、もしかして、それって嫉妬?」
「…っ…」
嫉妬?
「俺の過去に妬いてるの?」
「………」
自分が馬鹿に思えた。
人妻でありながら、独身の倉本に嫉妬する権利なんてあるわけがない。余所で何をしていようが口出しはできない。
愚かな自分が情けない。