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秘密
第2章 誘い
倉本の言葉は、会う事を了承してしまった沙織を不安にさせた。
すでに沙織の思惑は見抜かれていて、その上で少しも怯んでいない男の図太さがうかがえる。
けれども1日おきに沙織の職場にランチを食べに来て意味ありげに振る舞われては、良くない噂が立ち義母の常連客でもあるオーナーの耳に入っては困る。
沙織はそれが気掛かりで食事の誘いを受け、はっきりと断るつもりだった。
もう店には来ないでほしいと。
本当にそうだろうか…
沙織は倉本のメールを読み返し、胸にジリジリと燻り続けていたものの正体が見えてしまいそうな気がして怖くなった。
足早に歩き出した沙織は、足を止めて振り返った。
我が家の二階に干された洗濯物が日に当たって気持ち良さそうに揺れている。
早く帰って来て洗濯物を取り込まなければ湿気ってしまう…
沙織は倉本から逃れて帰る理由をあれこれと自分に課して、走り出しそうな気持ちを押さえ付ける術へと変えた。
優しい夫の微笑みよりも、倉本の熱い視線に惹き付けられていく今の自分を認めるわけにはいかなかった。
すでに沙織の思惑は見抜かれていて、その上で少しも怯んでいない男の図太さがうかがえる。
けれども1日おきに沙織の職場にランチを食べに来て意味ありげに振る舞われては、良くない噂が立ち義母の常連客でもあるオーナーの耳に入っては困る。
沙織はそれが気掛かりで食事の誘いを受け、はっきりと断るつもりだった。
もう店には来ないでほしいと。
本当にそうだろうか…
沙織は倉本のメールを読み返し、胸にジリジリと燻り続けていたものの正体が見えてしまいそうな気がして怖くなった。
足早に歩き出した沙織は、足を止めて振り返った。
我が家の二階に干された洗濯物が日に当たって気持ち良さそうに揺れている。
早く帰って来て洗濯物を取り込まなければ湿気ってしまう…
沙織は倉本から逃れて帰る理由をあれこれと自分に課して、走り出しそうな気持ちを押さえ付ける術へと変えた。
優しい夫の微笑みよりも、倉本の熱い視線に惹き付けられていく今の自分を認めるわけにはいかなかった。