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秘密
第9章 露見
……



これは夢…

夢でなければいったいなに


この女の顔はなに?


あ、

私があげたスカーフ

あ、

口紅がはみ出して、よだれが垂れてる


怯えて虚ろな眼は

なぜ私を見ているの?



その顔はどこかで

あぁ

そうだ、あの時…



───ここでいったい何をしているんですかっ!



あの体育倉庫だ

遠藤先生と尾田先生の顔と同じだ


貼り付いて動かない

まぬけな顔



どうしたの二人とも…

同じ顔をして


………


もしかして私も

同じ顔?








「どういう事ですか…、…いったいどういう事なんだっ!」

「………」

「説明してください…、西村さん、説明してくれよ!」

「………」

「いつからなんだ、いつから……、ずっとなのか?…ずっと最初から…」


動いているのは倉本だけだった。

倉本は沙織を押し退け、慎一郎の胸ぐらを掴んでいた。


「く、倉本…」

「…倉本さん?」


「なんか言ってくれ!」


掴んだネクタイの結び目をグイグイと引き寄せ、倉本は自分の立場も忘れて慎一郎に詰め寄った。


「き、今日で、…お、終わるつもりだったんだ…」





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