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秘密
第9章 露見
あぁ…

お義父さん



あなたは全てを捨てた


家も

家族も



背徳の汚名を着せられ

爛(ただ)れた秘密を

隠し持ったまま…



あなたはその眼で

妻と息子が交わっている、おぞましい光景を…




「…うっ…」


赤いランジェリーの咲子が、慎一郎に跨がって腰を振り、悶え狂う映像が浮かんだ。

脇に、腹に、唇を押し付け…その白い太ももを淫らに開いて息子の口に吸わせ、その赤く滲んだ唇で我が子の猛りを…





「…っ…、オェッ…」


沙織は、ガクンと膝をついて嘔吐した。


「沙織…」

「沙織さん…」


「い、いやっ!
いやっ、いやぁーー…」


肩に触れた咲子の手が穢らわしい。


「さ、触らないで、触らないで、いやぁっ…オェッ…い、いや…オェッ…オェッ…」

「沙織さ…」

「触るな、沙織に触るな!…、消えろ、消えてくれっ」


沙織を抱き寄せた倉本の手から、コロコロと指輪が転がった。

倉本はそれに気付かず沙織を抱えると、ドアに挟まったままのキャリーバッグを蹴り跳ばし指輪と共にエレベーターに押し込んだ。




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