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秘密
第2章 誘い
「わかってる。
もう、木馬亭には行かないよ」
「……、ごめんなさい」
言いにくかった言葉を倉本から言われ、沙織は肩の荷が下りた。
「4ヶ月は通ったかな。
偶然だったよ。社内で女の子達が君の話で盛り上がっていたから、つい仲間に入って喋っていたら店の名前を耳にしたんだ。
ほら内田さん達…」
あぁ、確かに教えた
「どうしても君を見たくなって…いや、確かめたかったのかな?
君が幸せにしてるって事を」
「だから私は…」
「結婚前にはあんなに幸せそうに輝いていた君は、どこにもいなかった」
「……」
沙織は黙ってグラスに口をつけた。
「君の相手が西村さんて聞いた時には焦ったよ、なにしろ大学の先輩だったからね」
「………」
「でもあの人なら、君を幸せにしてくれると思ったし…あきらめたつもりだったんだ」
手元が震えグラスの中の氷がぶつかる。
「一緒に入社してからずっと俺は君を見てきたんだ。だからわかる、君は今ちっとも…」
「やめて、何も聞きたくない」
倉本は沙織を見ながら残ったビールをゆっくりと飲み干し、そっとテーブルに戻した。
「不思議だな。俺今、君を凄く困らせたい。
やっぱフラれたからかな…」
倉本が顔を近付けて真っ直ぐに沙織を見つめた。
もう、木馬亭には行かないよ」
「……、ごめんなさい」
言いにくかった言葉を倉本から言われ、沙織は肩の荷が下りた。
「4ヶ月は通ったかな。
偶然だったよ。社内で女の子達が君の話で盛り上がっていたから、つい仲間に入って喋っていたら店の名前を耳にしたんだ。
ほら内田さん達…」
あぁ、確かに教えた
「どうしても君を見たくなって…いや、確かめたかったのかな?
君が幸せにしてるって事を」
「だから私は…」
「結婚前にはあんなに幸せそうに輝いていた君は、どこにもいなかった」
「……」
沙織は黙ってグラスに口をつけた。
「君の相手が西村さんて聞いた時には焦ったよ、なにしろ大学の先輩だったからね」
「………」
「でもあの人なら、君を幸せにしてくれると思ったし…あきらめたつもりだったんだ」
手元が震えグラスの中の氷がぶつかる。
「一緒に入社してからずっと俺は君を見てきたんだ。だからわかる、君は今ちっとも…」
「やめて、何も聞きたくない」
倉本は沙織を見ながら残ったビールをゆっくりと飲み干し、そっとテーブルに戻した。
「不思議だな。俺今、君を凄く困らせたい。
やっぱフラれたからかな…」
倉本が顔を近付けて真っ直ぐに沙織を見つめた。