この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
秘密
第2章 誘い
頭は混乱し胸は高鳴っていた。
動けない沙織を見据え、倉本の肉厚の唇が僅かに開いて近付いてくる。
沙織はそれを見つめながら、誘われるように唇を開いた。
「…っ…」
倉本は沙織の頬を大切そうに両手で覆い、唇を押し付けながらゆっくりと弧を描き沙織の口を開く。
アルコールの微かな匂いに酔ったように、沙織は誘われるままおずおずと舌を絡ませた。
何も考えられなかった。
ジャズのリズムに酔い、倉本のキスに酔った。
スポットライトの下で、甘い舌に痺れ、いつしか眼を閉じて時を忘れた。
「ちゃんと息してる?」
顔を見て笑う倉本が急に愛しくなり、沙織は自分から両手を伸ばしてキスをせがんだ。
知らなかった
でも知ってしまった
躰まで熱くなってしまう
奥が
疼いてしまう…
「みんな君の事を西村さんて呼ぶんだ。
でも俺は名前を呼ぶ。あの人の苗字なんて呼びたくないからね」
耳元で囁き、静かに腰を下ろす倉本を目で追ううちに、ようやく現実が顔を覗かせてきた。
「…私…」
「連絡待ってるよ」
「む、無理よ。
ごめんなさい、い、今の…」
「なかった事にする?」
動けない沙織を見据え、倉本の肉厚の唇が僅かに開いて近付いてくる。
沙織はそれを見つめながら、誘われるように唇を開いた。
「…っ…」
倉本は沙織の頬を大切そうに両手で覆い、唇を押し付けながらゆっくりと弧を描き沙織の口を開く。
アルコールの微かな匂いに酔ったように、沙織は誘われるままおずおずと舌を絡ませた。
何も考えられなかった。
ジャズのリズムに酔い、倉本のキスに酔った。
スポットライトの下で、甘い舌に痺れ、いつしか眼を閉じて時を忘れた。
「ちゃんと息してる?」
顔を見て笑う倉本が急に愛しくなり、沙織は自分から両手を伸ばしてキスをせがんだ。
知らなかった
でも知ってしまった
躰まで熱くなってしまう
奥が
疼いてしまう…
「みんな君の事を西村さんて呼ぶんだ。
でも俺は名前を呼ぶ。あの人の苗字なんて呼びたくないからね」
耳元で囁き、静かに腰を下ろす倉本を目で追ううちに、ようやく現実が顔を覗かせてきた。
「…私…」
「連絡待ってるよ」
「む、無理よ。
ごめんなさい、い、今の…」
「なかった事にする?」