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秘密
第1章 静寂の夜
それを強く握りしめる事もなく、ツンと尖ったその先端を口に含む事もせず、慎一郎は沙織の膝を開く。


──俺には、沙織さんが幸せそうには見えない

──おかしいわね。
お陰さまで私、とっても幸せよ


下半身だけを露にした慎一郎は、微かに湿った沙織の割れ目にそそり立つものの裏側を当てた。

ゆっくりと縦に動く。

その重さと緩やかな刺激で、か細い粘着音が耳にとどき始めると、慎一郎は深く吸い込んだ呼吸を止め、まだ欲しがってはいない沙織の中へと静かにその先を押し込んだ。


「…っ…」


ねじ込まれるような鈍い痛みの後、じんわりと躰が熱を帯びる。

中の具合を確かめるようにゆっくりと腰を押し付け全てを埋め込むと、慎一郎は沙織の手首を押さえながらベッドに両手を付き、腰を前後に深く動かした。

微かにベッドが軋む。


「…っ…ン…ンンッ…」


息を殺し、ゆっくりと乱れる事なく繰り返される規則的な動き。

両手を伸ばし夫の腰を強く引き寄せたい衝動にかられる。


お願い、もう少し


「ァッ…あっ…ンンッ……」

ようやく感じてきた沙織の口を慎一郎の手が塞ぐ。


「──っ…ンンッ…」


沙織が好きな瞬間だ。



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