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秘密
第3章 渦巻く疑念
「明日から2連休なんですよね、旅行ですか?
いいなー」


仕事が終わり、更衣室で着替えながら杏奈が羨ましそうな顔をする。


「旅行っていう程でもないのよ、近場だし。
忙しい時にごめんなさい」

「ま、お盆は休めなかったんだから、ゆっくりしてきて。こっちは夏休みのバイト生がたくさんいるんだし」


純子が心よく引き受けてくれる。


「ありがとうございます」

「あ、そうだ」


純子がロッカーの中をゴソゴソと探り、中からビニールの袋を取り出した。


「これ、貰ってくれない?」

「なんですかぁそれ」


杏奈が覗き込む。


「球根なんだけどさぁ、うちの庭狭いし、私って花なんて育てられないんだよね。
自分の事で精一杯、あはは…」

「じゃあなんで持ってるんですかぁ」

「店長が知り合いに貰ったのを私にくれたのよ。
奥様が育てるわけないって…」

「ふ~ん」


杏奈が不服そうに口を尖らせた。


「うちはアパートだし、店長からの花なんていりませーん」

「はいはい、ラブラブ夫婦は毎晩愛の花を咲かせてるものねー。
沙織さんお願い、貰って」


沙織は差し出された袋を受け取った。


「何の花が咲くんですか?」





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