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秘密
第3章 渦巻く疑念
「沙織さん、……慎一郎は電話で何を話していたの?」
咲子の顔から笑顔が消えた。
「あ、すぐに切れたのでよくわからなくて。
きっと会社の人だと思います」
「そう」
「別に気にしていたわけじゃないんです。今急に思い出しただけで…すみません」
「……それならいいんだけど」
咲子はため息をついた。
「さ、私もお風呂に入って寝ようかな、明日からまたがんばらなくちゃ」
そう言って沙織は立ち上がった。
「そうね、今日はお疲れ様。このスカーフ大切にするわ」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
寝室に入った沙織は、替えの下着を出そうと明かりを付けた。
蒸し暑いせいか、慎一郎はパジャマのボタンをいくつか外してしまっている。
沙織はエアコンを緩く付けて、タイマーをセットした。
着替えを手に、ひんやりとしてきた部屋の明かりを消そうとしてふと手を止めた。
寝冷えするかもしれない
足元に追いやられていたタオルケットを夫の肩に掛けようとした時、不意に寝返りを打った慎一郎がこちらを向いた。
「…っ!」
パジャマの胸元が一瞬捲れ、見た事のある染みが沙織の眼に飛び込んで来た。
咲子の顔から笑顔が消えた。
「あ、すぐに切れたのでよくわからなくて。
きっと会社の人だと思います」
「そう」
「別に気にしていたわけじゃないんです。今急に思い出しただけで…すみません」
「……それならいいんだけど」
咲子はため息をついた。
「さ、私もお風呂に入って寝ようかな、明日からまたがんばらなくちゃ」
そう言って沙織は立ち上がった。
「そうね、今日はお疲れ様。このスカーフ大切にするわ」
「ありがとうございます。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
寝室に入った沙織は、替えの下着を出そうと明かりを付けた。
蒸し暑いせいか、慎一郎はパジャマのボタンをいくつか外してしまっている。
沙織はエアコンを緩く付けて、タイマーをセットした。
着替えを手に、ひんやりとしてきた部屋の明かりを消そうとしてふと手を止めた。
寝冷えするかもしれない
足元に追いやられていたタオルケットを夫の肩に掛けようとした時、不意に寝返りを打った慎一郎がこちらを向いた。
「…っ!」
パジャマの胸元が一瞬捲れ、見た事のある染みが沙織の眼に飛び込んで来た。