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秘密
第4章 乱されて
「大丈夫よ。
あなたが咲かせた花を採ったりするもんですか。
うふふ…ほら、沙織さん、今はどこにも葉っぱが見当たらないでしょう?」
屈んで地表を指す咲子の指の先には等間隔に、10本程の茎だけが土からすっと伸びていた。
「葉見ず花見ず」
「えっ?」
「花が枯れてからしか葉が出ないの、そしてね、葉が枯れてすっかり無くなってから花が咲くのよ」
「……なんだか切ない組み合わせなんですね」
「そうね、…確かに」
沙織は血しぶきにも似た妖艶なその花に自分を重ねた。
毒…
私の中にある毒
ずっと隠してきたその毒で自らを蝕んでしまう前に、すべてをさらけ出し、狂ったように咲き乱れたい
一瞬でいい
この花のように…
「…悲しい思い出、想うはあなた一人、また会う日を楽しみに…、情熱…それから…」
「それは…?」
沙織が咲子を見つめた。
「この花の花言葉、素敵でしょう?」
「えぇ…、とても」
悲しい思い出…
想うのはあなた一人
胸の奥底から全身に、静かに熱が伝わっていく。
それは波紋のように指の先、髪の先にまで拡がり、胸の真ん中を更に熱くした。
燻(くすぶ)っていた小さな火ははっきりとした炎に変わり、沙織の膣に鼓動を与え、疼かせ、身を火照らせた。
あなたが咲かせた花を採ったりするもんですか。
うふふ…ほら、沙織さん、今はどこにも葉っぱが見当たらないでしょう?」
屈んで地表を指す咲子の指の先には等間隔に、10本程の茎だけが土からすっと伸びていた。
「葉見ず花見ず」
「えっ?」
「花が枯れてからしか葉が出ないの、そしてね、葉が枯れてすっかり無くなってから花が咲くのよ」
「……なんだか切ない組み合わせなんですね」
「そうね、…確かに」
沙織は血しぶきにも似た妖艶なその花に自分を重ねた。
毒…
私の中にある毒
ずっと隠してきたその毒で自らを蝕んでしまう前に、すべてをさらけ出し、狂ったように咲き乱れたい
一瞬でいい
この花のように…
「…悲しい思い出、想うはあなた一人、また会う日を楽しみに…、情熱…それから…」
「それは…?」
沙織が咲子を見つめた。
「この花の花言葉、素敵でしょう?」
「えぇ…、とても」
悲しい思い出…
想うのはあなた一人
胸の奥底から全身に、静かに熱が伝わっていく。
それは波紋のように指の先、髪の先にまで拡がり、胸の真ん中を更に熱くした。
燻(くすぶ)っていた小さな火ははっきりとした炎に変わり、沙織の膣に鼓動を与え、疼かせ、身を火照らせた。