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秘密
第4章 乱されて
わかってる

わかってる…


耳にかかる荒い息が沙織の躰を痺れさせる。

沙織は根負けしたかのように拒む力を無くし、倉本の腕に身を任せた。

沙織の目から零れる涙を頬を覆う指先で拭い、倉本は再び唇を押し当てた。

誘い掛けてくる舌を甘い蜜を吸うよう味わい、絡み付いてくる舌に引き込まれながら夢中で肩にしがみつく。

沙織は倉本の手が背中のファスナーを下げている事にも気付かなかった。

隠すものを奪われた両肩に倉本の熱い手が触れる。


「…っ…」


慌てて肩を隠そうとする沙織を強く抱きしめ、倉本はキャミソール越しに沙織の背中を強く撫で回した。


「見せて…」


沙織が強く首を振る。


「いいさ…」


倉本はフッと笑うように言うと、沙織の肩の丸みにかぶり付き甘く咬んだ。


「…や…」


当てられた歯の内側で舌が熱く蠢く。


「…っ…」


肩を引こうとして背けた首筋に唇と舌が這い回る。


「やめ…て…」


沙織は怖かった。

昂る男を見せつけてくる倉本が…、その激しさに捲き込まれ、ねじ伏せてほしいと望んでいる自分自身が……





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