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秘密
第5章 仮面の下
脚を開き踵を便座に乗せる。
溢れてくる蜜に指を絡ませ、ぬるぬるとした感触の秘肉を揃えた指先でネチャネチャと撫で回す。


あの人が欲しい

唇も舌も、あの指も

何度も私に挑み掛かり、狂わせてくれる逞しいペニスも…


沙織は激しくなる水音に腰を震わせ、小さく「タケル…」と呻いて果てた。


もっと満たして欲しい

今すぐに…



躰の奥から沸き上がる激しい欲望に戸惑いながら、寝息をたてる夫の傍らで下着を替え、身なりを整えて階段を下りた。



「おはようございます」

「おはよう」


咲子が洗濯カゴを抱えてにこやかに沙織を迎えてくれる。

その笑顔に心がチクリと痛んだ。

自分の物は自分で洗っている咲子の手元に目をやると、白い洗濯ネットの中に入れられた赤い色に目がいった。


「……」

「今日はちょっと寝坊しちゃってこれから干すのよ。夕べは商店会の役員さんに誘われたものだから…」

「あぁ、ごめんなさい私、先に寝ちゃってて…」

「あら、いやだわ沙織さんたら、気にしないで頂戴、ふふっ。
洗濯機空いたからどうぞ」

「はい」


赤い下着を着た咲子の姿を勝手に思い描き、沙織はその艶めく白いうなじを見送った。




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