この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Re:again
第8章 【紫陽花色の雨】
「お前には酒よりもっといいモンくれてやる。‥シャワー先に浴びる?」

何も答えずにうつむいていると、腕を引かれ浴室に連れて行かれた。

「帰るなら今の内だぞ。後は嫌がっても逃がさない。
嫌なら全力で拒め」

爽介に労るような優しいキスをされた。
私は拒まなかった。

*****

爽介にTシャツを借り、フローリングの床で膝を抱える。
髪の毛を乾かしたかったけど、ドライヤーの場所を訊きそびれてしまった。
髪の毛を乾かしてくれる大きな手も、桃の香りのヘアクリームもここにはない。
優しい葵を怒らせ、ひとりになるのが怖くて爽介に甘えている。
漬け込んでいるのは私の方だ。
葵の優しさに漬け込み、今、爽介の優しさに漬け込もうとしている。

「……どうした?」

濡れ髪をタオルで拭きながら爽介が近付いてきた。
腰にバスタオルが巻かれている。
筋肉質な裸。顔に血液が集まる。
‥直視出来なくて膝に顔を埋めた。

「―――コレ、アイツにやられたんじゃないよな?」

爽介が真剣な表情で尋ねてくる。
無数のアザ。
Tシャツでは隠し切れない剥き出しになった両脚のアザ。
‥そのいずれかは葵につけられたもの。
けれど爽介には告げることが出来なくて―

『違う。酔っ払ってひっくり返っちゃったの』

「お前なぁ‥痕が残ったらどうすんだよ。
女なんだから少しは気をつけろよ」

心配そうな爽介の眼差しにドキリとする。
色素の薄い瞳。
私が好きだった瞳‥。
身体を抱え込まれ、足首を掴まれる。

「ほっせぇ足首‥足もちっちぇ」

爽介の手のひらがアザのあたりをさする。
ゾクゾクした。
爽介の髪の毛の滴が落ちてくる。
無言で暫くの間、見つめ合った。

爽介が私を抱いたまま立ち上がった。

「―――可愛い」
/395ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ