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第8章 【紫陽花色の雨】
『爽介‥ダメッ…赤ちゃん出来ちゃうよ……』

「孕めよ。俺の子を産め。なんの問題もない」

腰の律動が速くなる。ぐちゃぐちゃに掻き回される音、衝撃に何も考えられなくなる―

「‥みちるの嘘つき。
俺のこと好きだって散々言ったじゃねーか。
“爽ちゃんのお嫁さんになりたい”って言ったクセに……」

*****

すったもんだで口の中に出され、更には無理に飲まされ、飲んだら飲んだで“大きくしろ、そして飲め”と滅茶苦茶な要求を突き付けられ、どうにかクリアし、鬼畜は最終形態【すりすり魔】に変貌した。
自分が先ほど白濁液を撒き散らした私のお腹に嬉しそうにすりついてくる。
アンタなんでそんなに元気なんだ…。

『爽介‥“お嫁さんになりたい”って何?』

すりすり魔が私の顔めがけてスライディングしてくる。ぐっ苦しいッ!!

「お前は何1つ覚えてねぇんだな!小2の時言っただろ‥むちゃくちゃ嬉しかったのに…それに俺、この前言ったじゃん‥嫁に貰うって…」

ホームである私のお腹にすごすごと戻って行くすりすり魔。
しょぼくれている。

「よく覚えてるね‥この前のアレ、本気だったの?」

プロポーズにしちゃあエライ上から目線だったのですが。

「首輪やっただろ!首輪つけて、嫁になって、俺の子を産め」

『首輪って‥あのネックレス高そうだったけど良かったの?』

「お前にやるモンで惜しいものはない。安いくらいだろ」

すりすり魔はカピカピになったシーツの染みを指でほじっている。

「黒は目立つ‥。俺の子なら女でも男でもカワイイ。顔の良さはお墨付きだ。心配すんな!」

『顔が私に似て性格があなたに似たらどうするんですか‥』

あなたは鬼畜でも顔がカワイイから許されますけどね。
‥しみったれフェイスの鬼畜。ニュージャンル。

「問題ない。俺、お前の顔好きだし」
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