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第8章 【紫陽花色の雨】
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ふたり並んで夜道を歩く。
空には切った爪のような細い月。
爽介はずっと押し黙ったまま元気がない。
ぎゅっと恋人繋ぎをして数歩遅れてついてくる。
冷蔵庫に何も無いので近所の居酒屋にでも‥と誘ったけど、

「早くみちるの部屋に行きたい」

と言うので、コンビニで簡単なものを買う。
コンビニを出た瞬間、触れるだけのキスをされた。
そのままアパートへとまっしぐら。
部屋に入ると、すぐさまビニール袋をひったくられた。
何事かと爽介を見たらスウェットを下げていて、そのまま玄関で性急に犯された。
お互いに下半身だけを露出した、愛撫もおざなりなセックスだった。

『もう‥おでんが冷めちゃうよ…』

身繕いをして部屋に入るけれど、爽介が入って来ない。

『爽介?』

爽介は昨日葵が座り込んでいた場所にへたりこんでいた。
スウェットも下げたまま俯いている。
身体を拭き、スウェットを穿かせ部屋に招き入れる。
食事の支度をしようとしたら、今度は畳の上に押し倒された。

『どうしたの‥変だよ。爽介』

爽介が言葉を絞り出した。

「みちる‥俺、駄目みたい‥一度抱いたら落ち着くかと思ったけど抱いたら今度は離れるのが嫌になった…
今日はずっとお前のことしか考えられなかった……」

声があまりに弱々しい。
押し掛かられてちょっと苦しいのだけれど、文句は言えなかった。

『うん…』

爽介の背中をトントンと優しく叩く。

「‥無理矢理したから怒ってる?」

『‥怒ってないよ‥葵と話をしたよ。
ここにはもう、来ないって』

喪失感を悟られないよう、慎重に言葉を紡ぐ。

「‥みちる。お前を俺で一杯にしたい。俺だけを見ろ。俺のことしか考えるな」

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