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第9章 【ウィークエンドはあなたと】
「あれば頂戴。なぁ、俺気持ち悪い?」

不安げな真央の声。
小動物のような丸い瞳が揺れている。
お代わりを差し出す。

『気持ち悪くなんかない。スカートを穿いていても、男の子の恰好をしていても真央ちゃんは真央ちゃん。
男らしいし、優しいし、何の心配もない』

下味をつけたお肉に衣を纏わす。
適温になった油の中にお肉を次々と落とす。
ジュワッ‥パチパチ…唐揚げの揚がる音。
香ばしい香り。

「ミーコが昔のまんまで良かった」

頬杖をついて真央が破顔した。
小さな頃のままの笑顔だ。

「‥ミーコがウチに遊びに来なくなってからつまんなかった。
俺のランドセル姿を見せたくてミーコの家に行こうとしても爽兄にスゲー怒られるし。
そうこうする内に兄貴たちの乱れた女遊びが始まって‥後はもう時間が過ぎるのを待つだけだった」

『真央ちゃん…』

揚げ立ての唐揚げが載った皿を作業台に並べていく。
真央の前に小皿を置いた。

『揚げ立ての内に味見して。これからどんどん揚げていくから!』

菜箸でアツアツの唐揚げを真央の口元に運ぶ。

「アツッ。はふ‥うまい!」

にこにこと笑顔を浮かべながら別の唐揚げに箸を伸ばす真央。

「‥葵とは一度も同じクラスにはならなかったけど、高校に入学してからすぐに仲良くなった。
同じバスケ部なんだよ。俺は女顔だしチビだからしょっちゅうちょっかいかけられる感じだったけど、葵はあんな見てくれだから疎外視されてた。葵は異質だったよ。
まるで葵の周りだけ透明な膜が張られていて、誰も葵には触れられないような‥誰も葵のことが見えないような雰囲気だった」


はじめて耳にする葵の学生生活に、揚げ物の手を止めて真央を見つめる。

「積極的ないじめでは無かったかも知れない。殴られたり蹴られたりは無かったと思う。
だけど確実に、葵は存在そのものを抹殺されていた」
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