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Re:again
第2章 【リップサービス】
*****

「えーっと‥ふたりは知り合い??」

タカシに部屋に連れ戻されると他のメンバーは解散していた。

つくづく気配りタカシ。イイ奴!!
お持ち帰りなんかもあっただろうに。
前世はアライグマ女とキス魔を律義に待ってくれていたなんて‥。
ごめんね、と謝ると
“俺、幹事だから”
なんて笑うけど、マイコも幹事だよ?
おまけに私の数少ない友人よ?
ちょっと冷たすぎやしませんか。マイコさん。

一応軽い説明をと思うのに、何が気に入らないのかキス魔はふてくされて私の膝の上で眠っている。
膝から叩き落とそうとするけれど、腰はがっちりホールド。
私のお腹にすりすりすりすり顔を擦りつけている。
ちょっとアンタ!
気配りタカシに気配りしなさいよ!
アンタのお友達でしょうが!!

『‥同級生。同じクラスだったこともあるの。ね、安田君?』

幼なじみだと認めることに抵抗を感じ、遠からず近からずの返答をする。
安田君は膝の上で執拗なすりすり攻撃を止めない。
“安田君”と呼んだ時だけ攻撃が止んだ。
苗字で呼んだことなんて、ない。
驚いたのだろう。

元クラスメートだという理由だけで一方的なメイクラブをされたらたまったもんじゃない。
どいつもこいつも穴兄弟になってしまう。
じゃあ幼なじみになら襲われていいのか?
いや、それもおかしい。
私たちは“何もない”幼なじみだったはずだ。
何かがあったのは今夜だけで爽介は
キス魔→エロ魔→すりすり魔←now!
出世を繰り返している。

爽介を好きだった頃、相手にされず泣いた夜もあった。
どうして爽介が選ぶのは私ではないのだろうと(己の容姿という現実問題はさし置いて)歯噛みしたこともある。
私たちは良くも悪くも清く正しい“ただの幼なじみ”だった。

それなのに―
今夜の爽介は私から“ただの幼なじみ”の立場すら奪った。
いくら私が好意を持っていた時期があるとはいえ、爽介のやり方は乱暴で卑劣だ。
やっぱり酔っ払っているのかな‥。

突如、爽介が私の腕をギリギリと掴んだ。

「コイツ、俺の元カノ」
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