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第9章 【ウィークエンドはあなたと】
「‥既にほだされてるじゃねーか‥」

拗ねながら爽介が私の身体を抱き寄せる。

「じゃあドコが好きだったわけ?
みちる‥俺の部屋に行こう。真央がなんでもないなら証明しろよ。
明日が休みだっつーコトはバレてるぞ。
肥やしから連絡網が回って来たからな」

*****

羽交い締めの後、車に放り込まれ連れ去られた。
エスカレーターで犯されそうになりつつどうにか持ちこたえ、爽介の部屋へ。
‥意外にも怖いほど優しく抱かれた。

「拍子抜けって顔だな」

全裸のままうつぶせになり、煙草に火を点ける爽介。
爽介の指先が私の背中をなぞる。
葵が付けたキスマークのあたりをそっとかすめた。

『…普通にヤレるんじゃん!!』

ふふんと流し目をしながら紫煙を吐き出す。

「飴とムチだ。毎回同じだとツマンネーだろ。俺の辞書にマンネリという文字はない。これで女をツブす」

私の唇に吸いさしをくわえさせようとする。

『ケムい!ベッドで煙草吸うと危ないよ!』

爽介が笑いながら輸入モノの瓶ビールで喉を潤す。喉仏が動いた。

「呑む?」

瓶ビールをひったくって一口含み、突き返す。
何がおかしいのかずっとニヤニヤ笑っている爽介。
馬鹿にされて癪なので、横から喉仏に舌を這わせる。

「まだ足りねぇんだろ‥最初は半分挿れただけでも痛がってたけど全部入るようになった‥俺のが馴染んできた証拠だ。現に普通に抱かれたくらいじゃ退屈だと感じている。
お前はその内俺としかヤレなくなる」

不吉な予言。低く笑う爽介の脇腹を蹴る。
腹が立つのに、爽介の身体が魅力的で頭がクラクラした。
無駄な脂肪など一つも無い、鍛え上げられた肉体美。
若気の至りで入れたのか、身体に入った落書きすらも爽介らしいと思う。

『他の女といっしょにすんな!このスケコマシッ!!』

脚を掴まれ引き寄せられる。

「‥お前が他の女といっしょならこんなに苦労はしねぇ。
お前はノータリンでビッチで更にはブサイクで三重苦だけど、それでもそんな最低なお前がいいんだから仕方ねぇ。ぶつ切りにしてお前からお前が涌いて出てきたら面白ぇのに。金太郎飴みたいにさ。そしたら他のお前を孝介や真央に分けてやれる。
俺は自分の分だけ食っちまえばいい。
でも、お前が涌いて出てきてもお前の肥やしは全部食っちまうだろうな。俺らには一口も寄越さずに」
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