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第9章 【ウィークエンドはあなたと】
「‥オレはオレのやり方であなたを大事にする。だからみちるちゃんは、自分の心を大事にしたらいい。
それはソウスケにも納得させたから大丈夫。
コウスケは聞き分けが悪いから‥オシオキしとく…」

葵は優しい表情を浮かべ、爽介に付けられた私の胸元のキスマークを指でなぞる。

葵の身体を乱暴に押さえ付け、白い肌を吸った。
葵の首筋や胸が手酷い怪我を負ったようになるまで無数のキスマークを付け続けた。

『‥しょっぱい』

「‥そう。涙味…」

*****

お風呂から上がって、ふたりでトマト鍋をつついた。
葵はまた体操服に身を包み、私はジャージを着用して大玉転がしをした。
バター飴食い競争をし、新聞紙の玉入れをし、孫の手とお玉で決闘をした。
勝者は蜂蜜を舐めた。

疲れ果てた頃、葵が水晶玉で私の行く末を占ってくれた。

「‥最愛のひとと結ばれるでしょう…」

ツマンネー戯言をぬかすので、体操服を脱がして全身をくすぐった。
反撃を受けた。
遊び疲れて、ふたりとも下着姿で布団に入った。

*****

急に葵が息も出来ないような深いキスを仕掛けてきた。
葵の舌先が私の唇を割り、お互いの舌先を絡める。
押さえ込まれ、下着を剥がされ、両腕を縫いとめられた。
驚いて葵の瞳を見上げると、葵が小さく笑った。

微笑みながら声を殺して泣いていた。
霧雨のような雫が私の頬に降り注ぐ。
葵に抱き締められる。
まるで最後のお別れみたいだった。
霧のように葵が消えてしまいそうだった。

【消えないで。消えないで。どこにも行かないで。】

葵の身体にしがみつく。

そのまま眠った。

*****

暗闇の中で、かすかな話し声が聞こえる―

「―泣かせるために預けたわけじゃない。
好きな子を泣かせるって、アンタいったいいくつなの?
それが大人のやり方なの?四の五の言わずに迎えに来いよ。借りを返す」

*****

7/6(sun)10:30

「‥みちるちゃん、ソウスケが来たよ…」

枕元で優しく囁かれる葵の声に驚き、飛び起きる。

『なんで?!』
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