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Re:again
第10章 【微熱への処方箋】
孝介が置き手紙を覗き込む。

「わお‥目黒君ってなんて言うか‥男らしい字を書くんだね」

『大味なの。たまに字が紙からはみ出てる』

孝介が妙に深く頷いている。

「お粥温めようか?
みーちゃんが起きたら薬を飲ませてって言われてるんだ。食べられる?果物もあるよ」

孝介がにっこり笑いながら大きな果物籠を掲げる。

『うん、食べる。
すっごい立派な果物籠。どうしたのコレ?』

籠に収められた林檎、バナナ、ぶどう、桃、キウイ、マスクメロン、八朔。
ひとつひとつが艶々に磨き上げられ光輝いている。
高級青果店の包装紙が掛けられていた。
私のような貧民には、口に入らない品質の果物たち。

「お見舞いって言ったらコレでしょう?
みーちゃん果物好きだし。‥いちごは切れてたんだ。ごめんね」

孝介がバツが悪そうに呟く。

『ううん。とっても嬉しい。つやつやして綺麗‥。孝ちゃんお仕事は?』

「サボっちゃった。
大丈夫。いつも真面目にやってるんだから。
雨の日と月曜日にはサボってもいいことにしてるんだ。
人生には、そういう日も大事でしょ?」

悪そうな顔をする孝介。
もう一度、私にスポーツドリンクを飲ませ、布団に寝かせる。

「温めてくるから待っててね」

孝介がキッチンに消えてゆく。
果物籠を枕元に置いてもらい、林檎を手にとった。深い紅。ところどころに紫色。朱色。赤色。
胸一杯に甘酸っぱい香り。
久々に絵が描きたいと思った。
何の気負いもなく、素直にそう思った。

*****

「ほーら熱々だよー。頑張ってたくさん食べな」

白粥と、生姜が効いた鶏ミンチの緩めの餡。
中国のお粥に似せた葵のオリジナルレシピ。
白粥が苦手な私のために、葵はこの餡を作ってくれる。
小皿に葵が漬けた梅干しと、きゅうり、昆布の味噌漬けも載っていた。

「うーん。旨そう‥目黒君良いお嫁さんになれるね」

もうすぐアンタの弟のお婿さんになりそうだけどね。
葵の良いお嫁さん度・女子力は半端無いよ。
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