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Re:again
第10章 【微熱への処方箋】
*****

―てっきり孝介に迫られるものと身を固くしたが、強張った私の表情を目にした途端、孝介はつまらなさそうに身体を離した。

「喋り過ぎた‥寝たら?薬も効いてきたでしょ」

孝介はうつぶせになってまた本を開いた。
左手で何かを書きこんでいる。
サラサラとペンを走らせる音が耳に届いた。

昨日の真昼の出来事を私は思い起こしていた。
爽介に恋心の有無を尋ねられた私。
そして15年前と同じように爽介を拒絶した私。
タオルケットに顔を埋めると、孝介の右手が伸びてきた。

「意地悪言ってごめん‥みーちゃん、早く元気になってね」

孝介が私の手をゆるゆると握った。

*****

深く眠ったような気がしたのに、時計の針はまだ13時半を指していた。
傍らには孝介が私の手を握ったまま、眠りこけている。
立派な体躯を丸めて、無防備な顔で眠っていた。
寝姿は爽介と似ている。小さく笑った。

「―元気になった?」

ぱちりと目蓋が開き、爽介と同じ色の瞳が私の姿を捉える。
体温計で計ると36.8度まで下がっていた。
夏風邪ではなく、知恵熱だったのかも知れない。

『ありがとう孝ちゃん。熱下がったみたい。もうひとりでも―』

大丈夫だと言おうとしたのに、孝介が“よっしゃー”と雄叫びを上げ、跳んだ。
ギョッとして孝介の動向を見守ると、キラキラの笑顔でビジネスバッグからガサコソと怪しげなグッズを取り出す。
コ‥コイツ…。

「あーそーぼ!みーちゃんの熱が下がるの待ってたんだ!さぁ早く早く!目黒君が帰ってくるまでに全部試さないと!」

ローター、電マ、バイブ4本、鞭、縄、蝋燭、ローション、得体の知れないクリーム、溶接用の眼鏡、エアガン、ボーガン、刃渡り約20cmのサバイバルナイフ、小さなシャベル、積木、ふがし、絞るだけのホイップクリーム。

‥いったいどうやって遊ぶ気なんだ?
これは単体か?組み合わせるのか?
ひょっとしてシャッフルユニットなのか?
その前にどんな風にこれらをビジネスバックに収めていたんだ?
コイツはとんだ収納上手なんじゃないか?
お昼過ぎの奥様向け情報番組でその非凡な才能をいかんなく発揮した方が良いんじゃないか?
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