この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Re:again
第10章 【微熱への処方箋】
今日は一度も爽介の素顔を見ていない。
爽介はずっとここにいて私は爽介に抱かれているというのに、マスクに阻まれて爽介の表情が見えない。
その艶かしい声や逞しい身体だけでなく、いつもの憮然とした爽介の顔が見たかった。
絶頂の前に眉を寄せ、目蓋を閉じる爽介の表情が見たかった。

『見たい…』

マスクに手を伸ばす。爽介が私の手のひらに噛み付いた。

「ごめんなさいは?」

『………?』

「お前、二度と俺の顔が見たくねぇっつったよな。俺に死ねとまで言ったよな。詫びろよ」

速い律動で私を追い立てながら、昨日の発言を詰る爽介。
ひょっとして…

『‥爽介って…硝子の心臓…?』

爽介の腰の動きがまたぴたりと止まった。
孝介の笑い声が爆発する。
ことあるごとに寝込む爽介。
言われたことを根に持ち、私に素顔を見せない爽介。
‥なんてちっちゃくて馬鹿な男なんだろう。

『ぷッ…ふははは』

「笑うな!俺に赦しを乞えよ!“ごめんなさい、爽ちゃんの顔が好きです、二度と生意気な口はききません”って誓え!!」

腰の動きを止めたまま、私の身体をぐらんぐらんと爽介が揺さぶる。
本当に…この男は…。

『ごめんなさい。爽ちゃんの顔が好きです―』

自然と笑みが溢れていた。
爽介は一度固まり、マスクを畳に叩きつけた。
眼は血走り、顔中が汗にまみれている。
汗がつたい、私の顔に流れ落ちた。
爽介が笑みを浮かべていた。
私が好きな表情だ―子宮がキュンとした。
笑顔がすぐに切なげな表情に切り替わる。
今にも泣き出しそうな声で爽介は呟いた。

「みちる、もう1回呼んで。爽ちゃんって呼んで。俺のコトが好きだって言えよ。
…一番じゃないと意味がない。
俺、お前の一番じゃないと嫌なんだよ」

*****
/395ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ