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第10章 【微熱への処方箋】
「目黒君、牛描ける?」

孝介が葵をも巻き込む。
んー、んー。
葵はぽやぽや微笑みながら、クレヨンを掴んだ。

「‥牛さん!…」

葵が完成した絵を胸元に掲げる。
丸くて七色で脚が無数に生えた、毛むくじゃらの何かだった。
何かなのはわかるけれど、形容する言葉が見つからない。
宇宙のシンボルマークと言われれば納得出来るような、不可思議な何かだった。
ほとんど紙からはみ出ていた。
毛むくじゃらの顔がにっこりフェイスなのが葵らしい。
パステルカラーの色使いも葵らしい。

「「「大味……」」」

安田三兄弟がハモった。

「‥コレ、みちるちゃん…」

七色の何かの横に、見落としてしまいそうなほど小さなピンク色の何かが描きこまれていた。
ソレもやっぱりにっこり笑っていた。
最早何なのかさっぱりわからないけれど、どうやら私らしい。
よく見ると“M”と書かれている。
みちるのMか‥?
葵、小さい字も書けるんじゃん。
更に目を凝らすと“M”ではなく“ドM”だった。コイツ…。

安田三兄弟は負けん気を出して今度は私の似顔絵合戦になった。
爽介は丸くて目が4つの紫色の顔を描き、真央は瞳が大きなオレンジ色の軟体動物を描いた。今度は脚が無かった。
孝介は真剣な表情で私の顔を見つめながら絵に集中する。
完成したモノを覗き込むと《女性器》だった。爽介は笑い転げ、真央は意味がわからないのかきょとんとしている。
葵は“ソックリ”と頷いた。
私はすかさず、ボーガンを構えた。
まとめてクズトリオを星屑にしてやろうと誓った。

「‥みちるちゃん、描いてあげなよ。牛さんの絵…」

葵がフライパン片手に声を掛ける。
躊躇いがちに、私は鉛筆を手にした。

「「「おぉ~!牛だ!!」」」

再び安田三兄弟の声がハモった。

「‥上手でしょ。みちるちゃん、絵描きさんになりたかったんだもんね…」

葵の言葉には返事をせず、後は無心に七夕飾りを作った。
七夕飾りと、複数の牛と複数の私(孝介の絵は燃やした)で一通り笹を飾った後、それぞれ短冊に願い事を書いた。

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