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第11章 【追憶の向日葵】
*****

むんずほぐれつ、脱がされそうになったり揉めたりしながら、結局部屋着に着替えた。
いつもの、ダサくてへろへろの私たち。

「‥死ぬ前に一度ストッキング破かせてよ…」

真顔で呟く葵の横腹に蹴りを入れる。
アホな子。
時折かいまみえる性癖、本当にどうにかしろよ。自重しろ。
結局、私が脱いだストッキングを葵が穿いて、私が破ってやった。

「‥コレはコレでイイ…!!」

そうかよ。満足そうで何よりだよ。

「‥じゃあ次は棺に入るところー…」

ぽいぽ~いと大往生Tシャツを脱ぎ始める葵。

『お棺なんて準備してないよ?!そんなに本格的にやんの?!』

「‥みちるちゃんは魔法が使えるじゃない。今のオレを永遠に閉じ込めてよ…」

*****

―19歳のオレを描いて。

葵ががさこそとキャンバスと立て掛けるイーゼルを運んできた。テーブルをずらし、絵を描くスペースを作る。
油絵の道具が一揃いあった。
ご丁寧にも私が愛用していたメーカーだった。マイコだな、と苦々しく思いつつ、薄く笑う。

思わず、絵の具やペインティングオイルの匂いを確かめた。この匂い。
私の青春の、匂い―
4Bの鉛筆の芯を磨ぎ、練りけしを練った。
真剣な顔を見られるのが気恥ずかしくて、葵を見やる。
ふわりと葵が笑った。

『‥イーゼルなんてよく準備出来たね』

「‥カテキョしたの。店長さんとこの息子さん、教え甲斐あるし。みちるちゃんこそ、どうしたの?
こんなにたくさんの向日葵…」

農家さんのお手伝いの後、休ませている畑に咲いた向日葵を譲り受けてきた。

「‥ひぃ、ふぅ、みぃ…20本以上あるよ‥何本あるの?…」

全裸で向日葵を抱える葵。

『わかんない。数えてない。好きなだけ摘んでいいって言われたから、気が済むまで貰ってきた。
本当はもっと貰いたかったけど、抱え切れなかったの』

「‥みちるちゃんたら、欲張りさん。
モノには限度があるでしょ‥松山のおじさんにわけてもらったの?…」

『そう。葵がたくさん咲いているみたい。
素敵でしょ?』

向日葵と自分の髪の毛の色を見比べ、葵が不思議そうな顔をする。
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