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Re:again
第12章 【乱・反・射】
*****

強い力で抱き締められていた。

一瞬、誰に抱かれているの理解出来ず混乱した。
パサついた髪の毛の感触と耳朶のピアスの感触から《彼》かと焦った。
私が腕の中で暴れると、力が強まった。
筋肉の逞しさから、爽介だとわかった。
深夜3時だった。

「―みちる。やっぱり抱いていい?」

私の返事を待たず、暗闇の中で爽介が動いた。
乳房を責められ、いつもより念入りに秘処をほぐされ、腰を打ち付けられる。
言葉も交わさず、黙々と行為に没頭した。
爽介は必ず私の顔が見える体位で抱いた。
何も要求されなかった。

「爪を立ててもイイ―」

私の指が爽介の身体から離れそうになると、腕が追い掛けてくる。
2匹の蛇のように絡み合う―
私は何度か気をやったが、爽介は欲望を放たなかった。
別の女を抱いたからか、それとも他に理由があるのか。

おそらく、爽介は今夜だけは私を抱かずにいたかったのだろう。
それが何故かは女の私にはわからないけれども。
きっと、爽介が重んじるけじめとして、私と他の女とを区別するために。
それがわかっていて、爽介に抱かせた。
これが葵の言う“暴力”なら、私は爽介に望まない暴力を振るわせたことになる。

「‥これからは、辛い時は俺がいるから。
俺がずっとそばにいる‥もうお前はひとりじゃない」

髪の毛を乱暴に撫でられながら、爽介のかすれた声を聞く。

―爽介はきっと、私の叫び声を聞いたのだろう。
《彼》の名を呼ぶ私の獣じみた声を。

*****

夕方までホテルで過ごした。
爽介は若干お花畑の名残を引き摺りつつ穏やかで、小まめに私の世話を焼いた。
夏の予定を話したりもした。

「お前を色んなところに連れて行きたい」

夏休みの予定を立てる小学生のように爽介ははしゃいだ。
私が思っていた以上に、返事を先伸ばしにしていたせいで爽介を寂しがらせていたのかも知れない。
触れるだけの口付けを落とす。

「―ひとりぼっちの寂しさはどうとでもなるが、特定の誰かの不在による寂しさは……どうにもならねぇよな」

爽介が低く呟いた。

*****
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