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Re:again
第12章 【乱・反・射】
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結局、爽介と洗濯挟みを買いに行くことはなかった。
自分の部屋に帰らなかったからだ。
出来るだけ爽介と共に時間を過ごした。

葵に引越しのことを告げず、鍵を替えたことも告げず、胸が重くなるような事態からすべて逃げた。
耳を塞ぎ、目蓋を閉ざし、爽介の体温を求めた。
爽介は変わった。
私以外の女を求めなくなった。
いつも視界の中に私を収めたがった。

爽介は新しいソファーベッドを購入した。
備え付けのベッドは物置と化し、幾分狭くなった部屋でふたりでくっついて過ごした。
料理は私がしたが、洗濯や掃除は爽介と分担した。
基本的に爽介が私の後をついて来るので、なんでもふたりでこなした。
爽介はこどものように甘えた。

小さな喧嘩は山のようにあった。
いっしょに過ごす時間が急に長くなった分、飽和状態になる度に衝突した。
放っておくと、爽介がキスをねだりにやって来る。
私が唇を受け入れると、すぐに元通りになった。
あっという間に服を脱がされ、お腹に擦りつかれた。

たまに思い出したように突如開始される執事プレイに苦笑いしつつ、甘やかされた。
爽介はきっと、私以外の誰かに同じように尽くした経験があるのだろう。
爽介の執事ぶりは板についていた。
爽介が甲斐甲斐しく世話を焼いた相手とはどんなひとだったのだろう?

たまにひとりで明後日を向いたまま黙り込む爽介。
そんな時は寂しげな背中に張り付く。
突き放されるかと思いきや、爽介はすぐに笑顔に戻る。

「みー。みー。好き」

爽介は恥ずかしげもなく、愛情表現を言葉にした。
私の肌を求めた。

『爽介‥ずっといっしょにいようね』

不安な時は爽介に甘言を囁いた。
気持ちが収まらない時は、爽介の上に股がった。動物のようなセックスをした。

「―お前、時々まるで俺を憎んでいるようなセックスをするな。
お前が憎んでいるのは誰だよ?
男全員か?」

爽介が喉を震わせる。

―俺を憎んでもいいが、俺から離れることは赦さない。

爽介が呟く。
いつかどうしようもなく、私たちは傷付け合うのかも知れない。
それでも今は離れたくない。
―爽介から離れられない。

*****
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