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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
*****
「みちる陥落、オメデトウ!」
ジョッキを割る勢いで乾杯する。
喉を駆け抜ける爽快感。
ビールの泡の髭を蓄え、マイコがにやりと笑った。
早織ちゃんを帰した後、仕事に出掛け、マイコと落ち合った。
かっちりした黒いパンツスーツ姿のマイコ。髪の毛は珍しくひとつくくりにしていた。
きらびやかなものが一切なく、真珠を着けている。
『どこかに出掛けてたの?』
マイコが肩をすくめて笑う。
いつもの近所の居酒屋で、顔を突き付ける。
“スタミナ!にんにくホルモン鍋”と串ものセットが運ばれてきた。再び乾杯した。
「ついにみちるも年貢の納め時か。
百戦錬磨の毒牙の前じゃカタなしね。
どーお?仲良くやってる?」
マイコがジャケットを脱いで黒いレース地のノースリーブ姿になった。
バッグにジャケットを掛ける。今日はバッグや靴までクラシカルなデザインだ。
マイコらしくない。
『うん。爽介は意外と優しかった。マメなの』
そういっているそばから、携帯にメールが入った。
《呑み過ぎるな。迎えに行こうか?爽介》
思わず笑みがこぼれる。
「そりゃ優しいよ。宙ぶらりんの状態で3ヶ月も待っててくれたんでしょ?
みちるが落ち込んでいる時はサーッと飛んで来て世話焼いてくれてたじゃない。愛だね」
ホルモン鍋をよそいながら、マイコが笑う。
小さく息を吐き、そっと声を潜めた。
「―みちる。私、アンタに謝らなくちゃいけないことがある。
嘘ついてた。私、爽介君とキスした」
ホルモンが喉に詰まった。ビールを流し込む。
熱さで喉が焼けた。
マイコが困り果てたように割り箸を弄んでいる。
『……いつ?』
「この前。3人でココで呑んでみちるが先に帰っちゃった日。
送ってもらって、別れ際に車内で」
バツが悪そうなマイコの顔。
ホルモンをバクバクとかき込みながら、困惑顔の美人を見つめる私。
「落ち込む爽介君を見ていたら可哀想になってきて‥あの眼にヤラれちゃったのよ。
気が付いたら、どちらともなくキスをしていました。どうかしてたんです。
何もないなんて言ったけど‥大嘘でした。スミマセン」
しおらしく謝るマイコ。
くつくつと笑いが込み上げてくる。
「みちる陥落、オメデトウ!」
ジョッキを割る勢いで乾杯する。
喉を駆け抜ける爽快感。
ビールの泡の髭を蓄え、マイコがにやりと笑った。
早織ちゃんを帰した後、仕事に出掛け、マイコと落ち合った。
かっちりした黒いパンツスーツ姿のマイコ。髪の毛は珍しくひとつくくりにしていた。
きらびやかなものが一切なく、真珠を着けている。
『どこかに出掛けてたの?』
マイコが肩をすくめて笑う。
いつもの近所の居酒屋で、顔を突き付ける。
“スタミナ!にんにくホルモン鍋”と串ものセットが運ばれてきた。再び乾杯した。
「ついにみちるも年貢の納め時か。
百戦錬磨の毒牙の前じゃカタなしね。
どーお?仲良くやってる?」
マイコがジャケットを脱いで黒いレース地のノースリーブ姿になった。
バッグにジャケットを掛ける。今日はバッグや靴までクラシカルなデザインだ。
マイコらしくない。
『うん。爽介は意外と優しかった。マメなの』
そういっているそばから、携帯にメールが入った。
《呑み過ぎるな。迎えに行こうか?爽介》
思わず笑みがこぼれる。
「そりゃ優しいよ。宙ぶらりんの状態で3ヶ月も待っててくれたんでしょ?
みちるが落ち込んでいる時はサーッと飛んで来て世話焼いてくれてたじゃない。愛だね」
ホルモン鍋をよそいながら、マイコが笑う。
小さく息を吐き、そっと声を潜めた。
「―みちる。私、アンタに謝らなくちゃいけないことがある。
嘘ついてた。私、爽介君とキスした」
ホルモンが喉に詰まった。ビールを流し込む。
熱さで喉が焼けた。
マイコが困り果てたように割り箸を弄んでいる。
『……いつ?』
「この前。3人でココで呑んでみちるが先に帰っちゃった日。
送ってもらって、別れ際に車内で」
バツが悪そうなマイコの顔。
ホルモンをバクバクとかき込みながら、困惑顔の美人を見つめる私。
「落ち込む爽介君を見ていたら可哀想になってきて‥あの眼にヤラれちゃったのよ。
気が付いたら、どちらともなくキスをしていました。どうかしてたんです。
何もないなんて言ったけど‥大嘘でした。スミマセン」
しおらしく謝るマイコ。
くつくつと笑いが込み上げてくる。