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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
「ちょっと!真面目に謝ってんのに笑う?!」
『マイコが私に謝るなんて……』
小さな修羅場のはずが、ツボに入ってしまった。
引き笑いの後、息も絶え絶えにゼイゼイと呼吸する。
『‥馬鹿なマイコ。早く言ってくれれば良かったのに』
「タイミング失ったっていうか‥次の日、謝ろうと思ってスーパーに行ったんだけど‥みちるの顔があまりに冴えなくて言えなかった。
そうこうしている内に素直に打ち明けた方がいいのか黙ってた方がいいのかわかんなくなっちゃって‥爽介君は黙ってろって言うし」
『爽介にも大嘘つかれたよ。
マイコはタクシーで帰ったって言ってたもん』
マイコが瞳を見開いた。
「マズかったかな‥」
視線を泳がせる。
『このまま隠されていたら、赦さなかった。でも教えてくれたから赦す』
「アリガト。みちる、ほらニラ食べな。ホルモン食べな。ぎんなん食べな。口臭くなりな」
私に食べ物を寄せるマイコ。
『てっきり1回くらい寝ちゃったかと思ってたよ。私もいけなかったんだよね。
訊けば良かったのに、黙ってたから』
マイコの眼がまた泳ぐ。
『あれっ?!マイコちゃん、私に隠し事?』
ニヤニヤ顔でマイコを問い詰める。
いつもと形成逆転の私たち。
他人の不幸は蜜の味‥ってか。いや、私の不幸なのか?
不謹慎だけど面白い。笑っちゃう。
「…一瞬、変な雰囲気にはなったのよ。キスの後。部屋に誘った方が良いか迷った。
だけど、思いも掛けない言葉が口からポロッと出ちゃったのよ。
しかもふたり同時にね。“みちるが好きなんだ”って。声がハモったわ」
『――はぁ?』
「そんな顔しないでよ。私も自分で呆れたわよ。これから何かが起きそうな瞬間、どっちも“みちるが好きだなぁ”ってしみじみ思うのって何だか馬鹿みたいでしょ?」
『…馬鹿だねぇ』
「それで、終わりよ。解散!“みちるの友達だから、お前は止めとく”って爽介君が捨て台詞みたいに吐き捨てて、荒い運転で去っていったわ。馬鹿な奴。私も彼も。
‥だけどみちるは間違いなく愛されてる」
『マイコが私に謝るなんて……』
小さな修羅場のはずが、ツボに入ってしまった。
引き笑いの後、息も絶え絶えにゼイゼイと呼吸する。
『‥馬鹿なマイコ。早く言ってくれれば良かったのに』
「タイミング失ったっていうか‥次の日、謝ろうと思ってスーパーに行ったんだけど‥みちるの顔があまりに冴えなくて言えなかった。
そうこうしている内に素直に打ち明けた方がいいのか黙ってた方がいいのかわかんなくなっちゃって‥爽介君は黙ってろって言うし」
『爽介にも大嘘つかれたよ。
マイコはタクシーで帰ったって言ってたもん』
マイコが瞳を見開いた。
「マズかったかな‥」
視線を泳がせる。
『このまま隠されていたら、赦さなかった。でも教えてくれたから赦す』
「アリガト。みちる、ほらニラ食べな。ホルモン食べな。ぎんなん食べな。口臭くなりな」
私に食べ物を寄せるマイコ。
『てっきり1回くらい寝ちゃったかと思ってたよ。私もいけなかったんだよね。
訊けば良かったのに、黙ってたから』
マイコの眼がまた泳ぐ。
『あれっ?!マイコちゃん、私に隠し事?』
ニヤニヤ顔でマイコを問い詰める。
いつもと形成逆転の私たち。
他人の不幸は蜜の味‥ってか。いや、私の不幸なのか?
不謹慎だけど面白い。笑っちゃう。
「…一瞬、変な雰囲気にはなったのよ。キスの後。部屋に誘った方が良いか迷った。
だけど、思いも掛けない言葉が口からポロッと出ちゃったのよ。
しかもふたり同時にね。“みちるが好きなんだ”って。声がハモったわ」
『――はぁ?』
「そんな顔しないでよ。私も自分で呆れたわよ。これから何かが起きそうな瞬間、どっちも“みちるが好きだなぁ”ってしみじみ思うのって何だか馬鹿みたいでしょ?」
『…馬鹿だねぇ』
「それで、終わりよ。解散!“みちるの友達だから、お前は止めとく”って爽介君が捨て台詞みたいに吐き捨てて、荒い運転で去っていったわ。馬鹿な奴。私も彼も。
‥だけどみちるは間違いなく愛されてる」