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第13章 【さよならの向こう側】
*****

遠征に出掛ける爽介を見送り、部屋に帰った。
部屋を見回し、処分しなくてはいけないものに見当を付ける。
爽介と話し合い、家具はすべて処分することにした。
少しずつ本棚の中身やタンスの中身をあらためる。
数日間、静かに過ごした。

細々としたものの片付けと、スーパーへの往復。
たまに真央といっしょにご飯を食べる。
真央はいつものように、もりもりご飯を食べてくれた。

即興で作った歌をふたりで唄い、近所を散歩する。
雲の流れが速い夏空を見上げる。

「‥大丈夫。アイツは元気でやってるよ」

何も言葉にしていないのに、真央に力強く励まされる。

葵はいったいどこに行っちゃったんだろう?
そこは暗くない?怖くない?

*****

17時で勤務を終え、マイコとカラオケに向かう。
会うなり、マイコにコケシヘアーを大笑いされた。ツカミは上々。
ふふん。満足する。

引っ越せばマイコとクダを巻くことも出来なくなる。
鬼畜の居ぬ間に、ハジケようと誓った。
どうせこの先、私たちは臭くなっていく一方なのだ。
恥ずかしいことなんて何1つもない。
踊る阿呆に見る阿呆‥どうせなら踊り狂いたい。
ダンシングオールナイトだぜ!

5人部屋に通され、髪を振り乱して暴れた。
“アルコールは喉を潰す。カラオケにはそぐわない。”
謎のプロ根性を見せ、叫ぶマイコ。
アルコールじゃなくても喉、潰れちゃってるじゃん。
笑い転げながら、やっぱりマイコのことが好きだと思った。
マイコがバラードを唄い、私はブギーを踊った。魂が震えた。
お礼代わりにヘビメタを唄った。
あまりに感情がこもり、私はソファーから落ちて尻餅をつく。
マイコが頭を振り、壁に激突する。
騒ぎ過ぎて隣室の若者が覗きにやってきた。

「‥女ってスゲー…」

眼を丸くする数人の若い男の子たち。

「ふたりで馬鹿騒ぎしてこんだけウルセーってどうなってんだよ‥」

男の子たちを掻き分け、真央が手を貸してくれる。

『これが昭和の女の底力だ!平成生まれなんかに負けないぞ!』

魂の叫びを聴け!

「完敗だよ。そもそも勝負してねぇよ、馬鹿。ミーコ、パンツ見えてるぞ。股をキュッと閉めろ‥」

呆れた真央の声。
慌てて脚を閉じる。
ただただ、呆然とする平成ボーイズ。

―その中に、葵がいた。

*****
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