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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
「問題ないです。オレ、成人しましたから」

キッパリ!ハッキリ!
ひっくーい声で葵が言い放つ。
私の方をちらりとも見ない。
喋る前のお馴染みの独特な間合いもなく、恐ろしいほどの無表情。
こっ‥怖い。
失踪の間、この子に何が‥??

葵が鮮やかな手付きでピスタチオの殻を剥き始める。
食べるのかと思いきや、私の目の前に徐々に築き上げられるピスタチオの山。
これはいったい‥?

「何、目黒腹減ってんの?豆ばっか食うとハトになるぞ。
平和の象徴でも目指すのか?」

剥かれたピスタチオの山に手を伸ばそうとする、私の隣の男の子。
葵が男の子の手を打つ。

「自分で剥け」

無表情で吐き捨て、ピスタチオの山の頂上を形成する葵。
私、ピスタチオ苦手なんですけど‥嫌がらせ??
‥豆類は嫌いだって知ってる癖に。
お供え物ですか?お坊さん…。

「‥なんか目黒、機嫌悪い?お姉さん、下の名前は何ですか?」

男の子がにっこりと私に微笑みかける。
“みちるです”と答えようとすると‥

「豆食べなよ」

男の子の口いっぱいに豆を詰め込む葵。
もがく男の子の口に更に豆を押し込もうとする。
慌てて助けようとすると、

「豆食べますか?」

葵が私の口元を狙っていた。
なんて静かな眼をしているの‥葵は本気だ。
ピスタチオの宴だ!
コイツはヤバイ祭だ!
ぶんぶんと首を横に振る私。
ふん、と鼻を鳴らして葵がビールを呑んだ。

*****

最近のヒット曲を唄う若者たちに手拍子を打つ。
タンバリン芸を披露した。
伝説のパンクバンドの歌をマイコと2人で唄い、若者たちと心を通わせる。
葵はひたすらにビールとピスタチオを消費し続けた。

「みちるさん、なんか1曲唄ってよ」

男の子の1人にせがまれ、デンモクを手に取る。
曲を探している最中、私に声を掛けた男の子が急に倒れた。

『どうしたの?大丈夫?』

「なんか背中が急にビリッて…」

お盆前だからかなぁ?
心霊現象かな‥。
皆で部屋の中に異変がないか確認する。
無表情でビールとピスタチオを追加する葵。

『呑み過ぎないようにね‥』

「これくらいじゃ酔いません」

切り捨て御免の葵侍。
新しいビールが届き、部屋の中の異常も確認されなかったことで、安心してマイクを握った。
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