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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
「おい!みちるさんをドコに連れて行く気だよ!」

「‥電話したから。待ってれば。オレはお祓いしてくる」

そのまま、葵に拉致られた。

*****

『……………』

誰もいない喫煙スペースのソファーに腰掛け、黙り込む。
葵は瞬きを忘れたようにぼ~っと壁ばかりを睨んでいる。

『‥ねぇ、頭どうしちゃったの?』

「どうもしてない。オレは正気です」

若干ムッとした声で返事が返ってきた。
視線は合わせない。

『そうじゃなくて‥何故に坊主?ライオンヘアーは?』

「アフリカに強制送還。そっちこそ。変な髪型。ちんちくりん。
腐れ絶倫男の趣味?」

『ちんちくりんって‥』

コケシと修行僧の不機嫌なふたり組。

『‥いつ帰ってきたの?どこにいたの?』

ちらり。冷たい瞳に一瞬、怯む。
負けるもんかと睨み返す。

「‥関係ないでしょ。オレがドコで何していようが」

―完璧な拒絶。
“もういいや、帰ろう。”
席を立つ。

「ドコ行くの?帰さない」

葵に腕をギリギリと掴まれる。

『葵には関係ない!帰る!』

「ダメ」

凶悪な表情が崩れ、寂しそうな表情を浮かべた。

「‥山に芝刈りに。お寺で修行してきたの。昨日帰ってきた…」

立ち尽くす私に、葵が座ったままで擦り寄る。
頭を押し返すと、更に擦り寄せてきた。

『‥なんで修行?葵、お坊さんになるの?』

「‥欲望を律するために。夜になると誰かさんの姿が脳裏にチラついて頭がおかしくなりそうだから…」

葵の鼻先が、Tシャツ越しに私の乳首を探り当てる。
顔を押し返す。更に顔が近くなる。

「‥一晩中、待ってたのに……嘘ツキ。
いっしょに過ごすって約束したじゃん……桃の匂いがしない…香水は?オレがあげたヤツ捨てちゃったの?…」

葵の息が酒臭い。腕の力が強くなる。

『‥秋になったら私、引っ越すよ。爽介についていくの』

「‥あっそ。ドコへでも行けば。地球の果てでもドーゾ。お好きなトコロヘ!」

葵の腕が離れた。
ホッとして自分の身体をさする。

「……なんで写真、早織に渡したの?‥自分で持って来なかったのはどうして?
‥どうして早織のコト知ってるの?‥オレの絵、完成した?」
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