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第13章 【さよならの向こう側】
『完成してない。描かない。描きたくない』

すがるような眼で見つめないで―

「嘘だ…見せてよ。写真、もう1枚の方を頂戴よ……部屋に入れてよ…」

葵の腕が腰に絡みついてくる。
俯き、坊主頭を私のお腹に擦りつけた。

『葵はもう私の部屋に来ちゃいけない。
部屋には二度と上げない』

「どうして?オレの居場所だもん。帰りたい‥。引越し先もついて行くもん。
あなたの行くトコロにドコにだってついて行く」

『―そんなこと、出来るわけがない。葵は連れていけない。
ずっといっしょにはいられない』

「―――――!」

何かを言いかけた葵が、私の左手の薬指の指輪に気付いた。

「………結婚するの?」

返事をせず、葵の腕を振りほどく。
タガが外れたように葵が笑い出した。
笑い過ぎて過呼吸を起こしかけていた。

「―なんて無慈悲な女だろう。
驚き過ぎて言葉も出ない……
責任を持てないんならね、初めからペットなんて飼っちゃいけないんだよ!
…5年も飼えば犬や猫にだって情が移るよ。
――あなたはオレを見て、何も感じないの?」

顔をくしゃくしゃに歪ませながら、葵が尚も笑う。

『葵は犬や猫じゃない。ペットなんかじゃない。大人の男のひとだよ‥』

「―同じだよ。寂しい時だけ抱いて、邪魔になったら捨てる。
大きくなったらはい、サヨナラ。
―どうして自分の口で言わない?
簡単なことでしょう?
“お前はもういらない”って口にするだけでいい。
なんであの男に言わせたんだよ。
ずるいよ‥ちゃんとあなたが言ってよ。
もうオレのことなんか必要ないって言って!」

力任せに葵が胸を押した。よろめいた私の身体を捕らえ、激しく揺さぶった。

「言えって!今すぐに言え!言え!言え!」

*****

「目黒ー。早織ちゃんたち来たぞー‥どうした?」

葵を呼びに来た男の子が、私たちのただならぬ雰囲気に怪訝そうな顔をする。
気を使ってくれたのか、私にバッグを手渡してくれた。
先に男の子が部屋に戻った。

ソファーに深く腰掛け、葵がうなだれた。
唇を噛み締め、すっかり顔が白くなっていた。

「‥あなたはいつだって、一番嫌な方法でオレを打ちのめしてくれるよね…」

*****
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