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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
*****

帰宅し、簡単にシャワーを浴びて布団に潜り込んだ。
爽介から電話が掛かってきた。

「なんだお前、泣いてんのか?
でっかいぬいぐるみでも買ってやろうか?
そんなに寂しいなら今度はいっしょに来るか?」

泣いていないのに、爽介に笑われる。

「帰ったらどっか連れてってやる。
《夏の思い出》を作ろう。
寂しがる暇なんてない。今日は何も考えずに、寝ろ」

電話を切ってからも、爽介の笑い声が耳に残っていた。
泣いてなんかいないのに、不思議なことを言う。
泣いていられる内はまだいい。

爽介たちが買ってくれた布団は軽くてふかふかだ。
葵が教えてくれた、北欧の子守唄を唄う。
葵は音痴だから本当に合っているのか疑わしい。
聞き慣れない言葉の、聞き慣れない旋律。
漆黒の目蓋の裏側にオーロラが降りてくる。
‥葵の瞳の色は、オーロラの色だと思った。

*****

予・想・外…
どうしてこんなことになっちゃったんだろう?

『……………』

《夏の思い出》を作るため、爽介の車で大人数で移動中。
お盆休みを利用して、孝介が設計したヴィラ様式の宿泊施設を目指す一行。
仕事と準備のために孝介は前日から乗り込んでいる。
車内のメンバーを見回す私。
おかしい。やっぱりどう考えてもおかしいな。

驚きと不思議がいっぱいの旅行。
爽介から“どっか行こう”と誘われた時は、てっきりふたり旅だと思っていた。
夕食時に真央に話したら、
“孝兄が山と川、大自然に囲まれた場所にヴィラを建てたらしい。皆でそこに行こう!”
“異常者にタカって営利を貪ろう!”
と、盛り上がった。
安田三兄弟が揃うなら、マイコも誘おう!ということになった。

お盆休みを利用した5泊の日程になった。
元々お休みがあるマイコと違って、さすがに私は長期の休みは無理かな~と思いきや、あっさり店長が休みをくれた。

「聞いてるよ。大丈夫。行っておいで。
お土産宜しくね!」

と、スムーズにお休みがもらえた。

「斎藤さん‥幸せの色って何色かな?
うまく言えないけど‥幸せ探し、頑張ってね。
俺は斎藤さんの幸せを願っているから」

そう呟き、店長が少しだけ泣いてたんだけど、どうしたんだろう?
暑さにヤラれちゃったのかな‥。
そもそも、誰に旅行の話を聞いたんだろう?
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