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第13章 【さよならの向こう側】
「女より先にイクなんて格好悪い‥。ちょっと待ってろ」

背中を向けて、後処理を済ませる爽介。
背後から覗き込むと、必死で自身を扱いていた。

「向こうむいてろ!」

怒声を浴びせられながら、チラ見をする。
爽介がひとりでするところなんて初めて見たよ‥。
気になる。気になる。
怒られても盗み見する私。

『‥手伝おうか?』

「急がねーとアイツらが帰ってきちまう。
俺だけイッたまんまじゃ男の沽券に関わる。
お前を3回イカせなきゃ、恥ずかしくて俺は表を歩けない‥もう大丈夫だ。四つん這いになれ」

スケコマシの謎のポリシーで説き伏せられ、お尻を向ける。
結局、私が1回絶頂を迎える前に、爽介は2回天国を見た。

「‥お前は俺を殺す気か?
いくら俺でも短時間での連射はキツイんだ。
なんでイカねーんだよ?どっちが飼い犬かわかりゃしねぇ‥」

げっそり顔の爽介が呻く。

『今日はやけに早かったね?寝不足だからじゃない?』

「お前がオカシイんだよ!俺にイカせられない女なんていねぇはずなんだ‥」

“リベンジしてやる‥復讐だ。血みどろにしてやる。”
もんどりうつ爽介の背中を叩き、シャワーに誘う。

―奇妙な違和感を感じた。
誰かの視線を感じたのだ。
そんなこと、あるわけがない。
コツコツと壁の中から叩くような音がまた聴こえた。
部屋の四方を確認し、爽介に問い掛ける。

『ねぇ‥この部屋、なんか変じゃない?
物音しなかった?』

爽介が煙草を揉み消し、裸の私を抱え上げる。

「さぁ‥風の音だろ?」

*****

スケコマシのタイトルを懸けたリベンジマッチは浴室へと場を移し繰り広げられた。
普通に身体の洗いっこをしていたのに、おもむろに爽介が新しい秘密道具を出してきたのだ。

「みちる、好きなだけヨガれ!」

『……………』

壁に貼り付けられた男性器の偽物パート2。
何?長男まで玩具に目覚めちゃったの?

「玩具好きなお前に合わせてやっただけだぞ!俺は心が広い!
固定出来るなんてスグレモノだろ?!
ほら、ハメろ!
しょぼい乳を揺らせ!さぁ!さぁ!」

キラキラ輝く爽介の瞳。
血って争えないんだな‥。
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