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第13章 【さよならの向こう側】
爽介が屈み込み、ディルドごと秘処を舐め上げた。

『あんッ…んーッ……』

「俺がアッチに目覚めたらどうすんだよ、お前。偽物でも気持ち悪ィわ。オエッ」

腰を抱えられ、揺すぶられる。

「そんな顔、アイツらには見せんなよ…まったくお前は、ド淫乱金魚だよ。ヒラヒラしやがって…」

肉芽を爽介が優しく擦った。

*****

ディルド遊びの後、浴槽で交わった。
一番イイトコロでマイコが部屋に戻ってきて、ふたりで慌てた。
着替えようにも、服をベッドのまわりに脱ぎ散らかしていたからだ。
浴室に爽介を残し、バスタオルを巻いて恐々と部屋を覗く。
目が合った瞬間、マイコが爆発的に笑い出した。
爽介に服を手渡し、部屋から追い出す。

マイコの視線を避けながら、水色のパフスリーブのトップスと、ターコイズブルーのショートパンツに着替えた。

『スッ‥スミマセン…』

そそくさと髪の毛を櫛でとかす私。
首輪を着けた痕がうっすらと赤い筋になって残っていた。
爽介から愛された印だ、と思う。
誰も知らない、私たちの秘めゴト―

「仲良きことは美しきかな」

マイコが大きく頷き、その顔が微笑んでいたのでつられて笑う。

『マイコ、綺麗。素敵だね』

ワインレッドの絞り染めのキャミソールワンピース。
インド綿だろうか。オリエンタルな雰囲気がマイコにぴったりだ。
髪の毛は夜会巻きにして、私が去年の彼女の誕生日に贈った蝶のスワロフスキーのコームを刺していた。

「みちるも、幼稚園児みたいで可愛い」

へへへと笑う。

「櫛、貸しなさい。髪の毛結わえてあげる」

ドレッサーの前に脚をブラつかせ、身を委ねた。
短くなった髪の毛を上手に編み込みヘアにしてくれる。
白い小花のヘアピンを刺してくれた。
完成して鏡越しにマイコに微笑むと、マイコの瞳が潤んでいた。

『どうしたの…?』

「爽介君に取られるのが悔しい。寂しい。
みちる、引っ越さないでよ。私、これから誰とツイスト踏めばいいの?」

マイコは滅多に泣かない。
学生時代に彼女の家族が壊れかけている時も、マイコは泣かなかった。
気丈に振る舞っていた。
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