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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
爽介がいつもの瓶ビールで喉を潤す。

「やっぱりお前が一番乳臭い」

女性陣を見回し、爽介が毒づく。

「ミーコにはミーコの良さがあるぞ!
良いコケシと悪いコケシなら、ミーコは絶対良いコケシだ!」

いつの間にかTシャツを脱いだ真央が、庇ってくれる。
良いコケシと悪いコケシって‥何?
どっちみちコケシしか選択肢は無いんだね‥?

「俺だけのコケシだ。
‥みちるは俺の奴隷で俺はみちるの奴隷なんだ」

お花畑モードをONした爽介が、私の腰に腕を回す。
手の甲をつねっても、うふふうふふと笑っている。
すっかり酔ってるな‥。

「爽兄‥キモイ…」

ビキニ姿のまま、全力で引いている真央。

『最近、暑さで頭がヤラレてるみたいなの』

私の言葉にも何のその。
人目も憚らず、爽介の腕が巻き付いてくる。
爽介と入れ替わりに、早織ちゃんが葵を手伝いに行った。

『私も手伝いに‥』

「ふたりにしてやれ。今が一番楽しい時なんだから」

爽介に囁かれ、腕の中に閉じ込められる。

「真央、イイモン着けてんな。俺にも貸せよ。レズプレイに必要なんだよ」

*****

カットされた野菜やお肉を携えて、葵と早織ちゃんがやって来た。
葵は朝と同じ格好をしている。
早織ちゃんが安田ブラザーズに皿を渡し、葵は紙皿に焼肉のタレを注いだ。
爽介の腕の中にいる私を目にした時、葵の顔がわずかに強ばった。

爽介がバーベキュー奉行っぷりを発揮し、皆でわぁわぁ叫んでいる。
食事の支度を一通り終えたからか、葵は爽介と同じビールを手にして輪から外れた。
川辺に座り込み、背を向けて石投げをしている。

『あっちに行かなくていいの?』

今一番、私と話したくないのだろうなと思いつつ、声を掛ける。
葵が振り向き、不思議な色の瞳と視線がかち合った。ドキリとした。

『なっ‥何?!』

いきなり、謎のスプレーを吹き付けられた。

「‥虫除け。そんな格好して、食われ放題になっても知らないよ…」

普段の、おっとりした喋り方で葵が囁く。
ただ、声がとても小さかった。
露出した箇所に、葵が虫除けスプレーを吹き付けてくれる。

『‥ありがとう』

ふん、と鼻を鳴らして葵がまた背を向ける。
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