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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
孝介に誘われ、到着したのは…ヴィラ。
私とマイコの部屋に連れ込まれ、クローゼットの中に閉じ込められた。
『こ‥孝ちゃん?!』
ナニする気だよ‥この悪魔。
思わず上擦った声に、色素の薄い瞳がキラリと光った。
「お楽しみはココからだよ、みーちゃん‥」
クローゼットの内板に触れる孝介‥スライドした?!
「隠し扉だよ。忍者屋敷みたいで楽しいでしょ?暗いから気を付けて‥さぁお手をどうぞ、お姫様」
差し出された孝介の手を握る。
クローゼットの奥には、先の見えない階段が待ち構えていた。
階段を下りると、薄暗い小道が開けた。
歩く度、足元に取り付けられたライトが灯る。少しだけじめじめとしていた。
『ドコに繋がっているの?』
「ヴィラすべてに。
地下で蟻の巣みたいに繋がってる。全部の部屋が覗けるんだ」
闇の中でも、孝介が楽しんでいるのがわかる。
『そんなの‥犯罪だよ!』
思わず手を離すと、孝介が薄く嘲笑った。
「ココは元々、そういう施設なんだよ。
オーナーの趣味でね。
【秘密倶楽部】ってヤツ。
皆、この施設の特異性を知った上でやって来る。知らない観光客も紛れ込んでいるかも知れないけどね。
僕には関係ない。
あくまでオーダーに答えただけ。
‥迷子になっても知らないよ。鼠の餌になりたくなけりゃ、僕の手を取りな」
意識して歩いていたわけではないから、帰り道なんてわからない。
振り返っても、細長い闇が続いているだけだ。
おずおずと孝介の手を握る。
満足そうに孝介が笑った。
「―このまま、ふたりで永遠に闇の迷子になってしまおうか?」
孝介の言葉に再び、手を離しかけた。
「―冗談だよ。ほら、こっちにおいで。
到着したよ、コケシ姫」
*****
孝介に抱え上げられ、階段を上がる。
覗き込むと、部屋の中には葵と早織ちゃんがいた。
『―葵と早織ちゃんの部屋に連れて来たの?!』
どうやら、ふたりの部屋のクローゼットの中に私は連れてこられたようだ。
声をうんと潜め、孝介に囁く。
孝介の、いつもの笑顔が壊れた。
真顔で私を射止める。
思いがけず近い距離になり、動揺した。
孝介の髪の毛はまだ濡れていた。
「―動くな。物音を立てると気付かれる」
私とマイコの部屋に連れ込まれ、クローゼットの中に閉じ込められた。
『こ‥孝ちゃん?!』
ナニする気だよ‥この悪魔。
思わず上擦った声に、色素の薄い瞳がキラリと光った。
「お楽しみはココからだよ、みーちゃん‥」
クローゼットの内板に触れる孝介‥スライドした?!
「隠し扉だよ。忍者屋敷みたいで楽しいでしょ?暗いから気を付けて‥さぁお手をどうぞ、お姫様」
差し出された孝介の手を握る。
クローゼットの奥には、先の見えない階段が待ち構えていた。
階段を下りると、薄暗い小道が開けた。
歩く度、足元に取り付けられたライトが灯る。少しだけじめじめとしていた。
『ドコに繋がっているの?』
「ヴィラすべてに。
地下で蟻の巣みたいに繋がってる。全部の部屋が覗けるんだ」
闇の中でも、孝介が楽しんでいるのがわかる。
『そんなの‥犯罪だよ!』
思わず手を離すと、孝介が薄く嘲笑った。
「ココは元々、そういう施設なんだよ。
オーナーの趣味でね。
【秘密倶楽部】ってヤツ。
皆、この施設の特異性を知った上でやって来る。知らない観光客も紛れ込んでいるかも知れないけどね。
僕には関係ない。
あくまでオーダーに答えただけ。
‥迷子になっても知らないよ。鼠の餌になりたくなけりゃ、僕の手を取りな」
意識して歩いていたわけではないから、帰り道なんてわからない。
振り返っても、細長い闇が続いているだけだ。
おずおずと孝介の手を握る。
満足そうに孝介が笑った。
「―このまま、ふたりで永遠に闇の迷子になってしまおうか?」
孝介の言葉に再び、手を離しかけた。
「―冗談だよ。ほら、こっちにおいで。
到着したよ、コケシ姫」
*****
孝介に抱え上げられ、階段を上がる。
覗き込むと、部屋の中には葵と早織ちゃんがいた。
『―葵と早織ちゃんの部屋に連れて来たの?!』
どうやら、ふたりの部屋のクローゼットの中に私は連れてこられたようだ。
声をうんと潜め、孝介に囁く。
孝介の、いつもの笑顔が壊れた。
真顔で私を射止める。
思いがけず近い距離になり、動揺した。
孝介の髪の毛はまだ濡れていた。
「―動くな。物音を立てると気付かれる」