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第13章 【さよならの向こう側】
決して広くはないクローゼットの中で、孝介と身体が密着する。
孝介の身体が汗ばんでいた。
おそらくは私の身体も同様だろう。
胡座をかいた孝介の膝に抱かれる。

『―孝ちゃん!』

「ウルサイ。こんなトコロで僕といっしょにいるのが見つかったら、困るのはみーちゃんの方でしょ。騒ぐな」

口内に孝介の指が入れられた。
何かを思わせる動作で抜き差しされる。

「―ほら。見てみな。あのふたり」

透かし彫りされたクローゼットの扉から、かすかに光がこぼれる。
小さな穴を覗くと、ベッドの上に仰向けになった早織ちゃんが寝ていた。
ベアトップはほとんどずれ下がり、乳房が半分はみ出ていた。
長い手足をベッドの上に投げ出して、頭をもたげている。
その先には葵がいた。
緩慢な動きでタンクトップを脱ぎ捨てる。
酔っ払っているのか、足元がおぼつかなかった。
そのまま、葵は早織ちゃんの身体に覆い被さった。

―見ていられなかった。
ギュッと目蓋を閉じる。
‥後ろめたかった。
ふたりの部屋に忍び込んで覗いていること。
爽介を選びながら、早織ちゃんを抱こうとしている葵の姿を直視できないこと―

「なんでそんな顔をする?お前が手離したんだろ?ちゃんと見ろよ」

孝介がワザと爽介の声色を真似た。
孝介は元々、爽介と声質が似ている。

―孝介は間違いなく、今の状況を楽しんでいる。
孝介の指はずっと、私の口内を犯し続けた。

「眼、開けろよ。今、目黒君がさおりんのショートパンツを脱がせたよ。‥次に下着に手を掛けた…それから―」

『…孝ちゃん止めて…』

声を殺しているはずなのに、すすり泣きのような声が洩れた。
息を詰める。
―声は消えなかった。
声を上げていたのは私ではなく、早織ちゃんだった。
葵が鼻に掛かった吐息を洩らした。

緩く目蓋を開け、俯いた。
孝介が、表情の読めない眼差しで私を一瞥した。
私の耳元に唇を寄せる。

「身勝手な女」

沈黙を続ける私に、孝介は指を引き抜き、頭を寄せた。
私の左手を手に取り、指輪をなぞる。

「―もしもお前が俺の兄貴の嫁さんになっても、俺はお前のことを“義姉さん”だなんて呼ばないよ」
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