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第13章 【さよならの向こう側】
ヴィラの前まで帰りついても、庭先で身を潜めて喋っていた。

「あ!ホタル!…」

真央が指差した先に、柔らかな光の点滅が瞬いた。
呼応するように、あちらこちらで小さな黄緑色の光の群れが行き交う。

「求愛行動か……
―なぁ、もし俺が誰かを好きになって、我を失っていたらミーコが軌道修正してくれよ」

『他人の恋路は邪魔しちゃいけないんじゃないの?』

「…ミーコならイイ。俺が血迷ってフラフラしていたら、呼び戻して」

真央が真剣な表情で私を見つめた。

「俺はいい子なんかじゃない。
ミーコに隠しているコトが、いっぱいある‥。
知らないふりをして、ミーコのそばにいる。ごめん。
―ミーコが誰のコトを好きでも‥俺たちはずっと友達だ」

一瞬息を詰めると、真央の頭がわずかに私の方へと傾いだ。
真央の唇が私の頬をかすめる。

―そのまま、真央は伸びた。

「レズ禁止!真央にはおっぱいがないぞ!
浮気者!変態金魚!」

ビキニを着てスカートを穿いた爽介が号泣していた。
伸びた真央をげしげしと踏みつけている。
誰だよ‥スカートまで穿かせた奴は。

『爽介‥それくらいにしないと真央ちゃん死んじゃうよ‥止めなって』

力加減が出来ないから、酔っ払いって恐ろしい。

「うっ‥浮気だっ‥今度はおっぱい買ってきてやる‥巨乳になって見返してやる‥みちるの浮気者‥」

酒癖の悪いビキニ男をなだめ、孝介を呼んで真央を部屋に搬入する。

*****

時計の針が22時を回ったところで部屋に引き上げた。
マイコと孝介の勝負はまだ決着がついていない‥。
朝が明けても飲んでるんじゃないか?
くわばら。くわばら。
簡単にシャワーを浴びて、ベッドに潜り込む。

枕が変わったからか、少しだけ夢見が悪かった。
眠りながら、うなされていることに自分で気付いていた。

私の額に“誰か”の手のひらが、躊躇いがちに添えられた。
途端に寝苦しさが和らいだ。
手のひらが何度も顔のまわりを滑った。
よく知っている手のひらの感触―

手のひらの持ち主を確認しようとするけれど、目蓋が開かなかった。
うつらうつらと心地よい眠気に身を任せる。

―やがて、かすかな子守唄が闇にするりと溶けていった。


*****
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