この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
甘口のバターたっぷりチキンカレーを作ろう。
ウズラの卵のフライと、とろけるチーズをトッピングしよう。
だけど酒呑みの口には甘口は物足りないはず。
もう1種類は辛口にして、牛肉をゴロゴロ入れて赤ワインで煮込もう。
お手軽フォンドボーペーストをカゴに入れる。
スパイスと赤ワインを求めて店内をウロウロする。
「‥お嬢さん、迷子ですか?…」
パパイヤとスナック菓子を持った葵がカゴの中を覗き込んだ。
昨日と同じように、黒づくめだ。
今日はTシャツだった。
「‥カレーだ…」
葵の顔が輝いた。
嬉しそうに鶏肉のパックを掴み、更にカゴの中に追加した。
葵はバターチキンカレーが大好きだもんね。
「‥たくさん作って。
お腹空いた。朝から何も食べてない…」
『ビュッフェに行かなかったの?
あぁ‥寝過ごしちゃったんだ?
夜中、真央ちゃんたちと遊んだんだってね』
こくりと葵が頷く。
昨日よりも、表情が少しだけ柔らかい。
「‥おいてけぼりされちゃったの。お隣さんに。ムカついてふて寝して今起きたとこ…」
ふわぁとあくびを噛み殺す葵。
眼が泳ぐ私。
‥だってカップルさんの朝を邪魔するのって何だか‥ねぇ?
「‥あと何買うの?
案内しますよ、お嬢さん…」
スパイスとワインを選び、目当ての品物はすべて選んだ。
「‥あなたはいつまでも若いね。
そのちんちくりんヘアーが尚更、年齢不詳に拍車をかける…」
葵が自然な仕草で、頬の位置で切り揃えられた私の髪の毛に触れた。
ドキリとした。
カートを押しながら、葵が私の格好に目を走らせる。
黄色いキャミソールに白いサロペット。
白いウエッジソールの編み上げサンダル。
『乳臭い?』
真顔で葵に尋ねる。
「‥別に。ソウスケがそれでイイなら俺が口出すコトじゃないし…」
カートを離し、葵の背中が遠ざかる。
*****
事前に孝介に預かっていたカードで支払いを済ませ、帰ろうとすると葵が入口で知らない女性と会話していた。
葵が私の姿を認め、女性に手を振って近付いて来る。
無言で買い物袋を奪われた。
『‥待っててくれたの?』
「違う。ナンパのついで」
ふらふらと葵が歩き出す。
『‥女の子を泣かせるのは良くないよ』
「どの口がそう言うの?あなたがそんなことを言える立場?」
一瞬、葵が凶悪な表情を浮かべた。
ウズラの卵のフライと、とろけるチーズをトッピングしよう。
だけど酒呑みの口には甘口は物足りないはず。
もう1種類は辛口にして、牛肉をゴロゴロ入れて赤ワインで煮込もう。
お手軽フォンドボーペーストをカゴに入れる。
スパイスと赤ワインを求めて店内をウロウロする。
「‥お嬢さん、迷子ですか?…」
パパイヤとスナック菓子を持った葵がカゴの中を覗き込んだ。
昨日と同じように、黒づくめだ。
今日はTシャツだった。
「‥カレーだ…」
葵の顔が輝いた。
嬉しそうに鶏肉のパックを掴み、更にカゴの中に追加した。
葵はバターチキンカレーが大好きだもんね。
「‥たくさん作って。
お腹空いた。朝から何も食べてない…」
『ビュッフェに行かなかったの?
あぁ‥寝過ごしちゃったんだ?
夜中、真央ちゃんたちと遊んだんだってね』
こくりと葵が頷く。
昨日よりも、表情が少しだけ柔らかい。
「‥おいてけぼりされちゃったの。お隣さんに。ムカついてふて寝して今起きたとこ…」
ふわぁとあくびを噛み殺す葵。
眼が泳ぐ私。
‥だってカップルさんの朝を邪魔するのって何だか‥ねぇ?
「‥あと何買うの?
案内しますよ、お嬢さん…」
スパイスとワインを選び、目当ての品物はすべて選んだ。
「‥あなたはいつまでも若いね。
そのちんちくりんヘアーが尚更、年齢不詳に拍車をかける…」
葵が自然な仕草で、頬の位置で切り揃えられた私の髪の毛に触れた。
ドキリとした。
カートを押しながら、葵が私の格好に目を走らせる。
黄色いキャミソールに白いサロペット。
白いウエッジソールの編み上げサンダル。
『乳臭い?』
真顔で葵に尋ねる。
「‥別に。ソウスケがそれでイイなら俺が口出すコトじゃないし…」
カートを離し、葵の背中が遠ざかる。
*****
事前に孝介に預かっていたカードで支払いを済ませ、帰ろうとすると葵が入口で知らない女性と会話していた。
葵が私の姿を認め、女性に手を振って近付いて来る。
無言で買い物袋を奪われた。
『‥待っててくれたの?』
「違う。ナンパのついで」
ふらふらと葵が歩き出す。
『‥女の子を泣かせるのは良くないよ』
「どの口がそう言うの?あなたがそんなことを言える立場?」
一瞬、葵が凶悪な表情を浮かべた。